白石和彌監督と横浜聡子監督のトークイベントも!「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024」国内コンペ出品の14本をチェック - 3ページ目|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
白石和彌監督と横浜聡子監督のトークイベントも!「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024」国内コンペ出品の14本をチェック

コラム

白石和彌監督と横浜聡子監督のトークイベントも!「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024」国内コンペ出品の14本をチェック

バラエティ豊かなジャンルの作品が登場!国内コンペティション部門の短編8本

国内コンペティション長編部門は、デジタルで撮影、編集され2023年、2024年に完成した国内作品で15分以上60分未満の作品が対象となる。今年は186本の応募があり、ホラー、時代劇、ロードムービー、アニメーション、ヒューマンドラマといった幅広いジャンルの意欲作が出揃ったので、ぜひハシゴをして鑑賞していただきたい。

「日本語通じます?」不幸に陥った中国残留孤児の葛藤を描く『相談』

『相談監督』監督:張曜元
『相談監督』監督:張曜元[c]東京藝術大学大学院映像研究科

中国残留孤児であった大田は、弁当工場を解雇される。再度チャンスを与えてほしいと管理職のもとに行くも口論になり、暴行を受けたと警察に訴える。しかし供述とは違う証拠が出てきてしまう。西岡徳馬の巧みな演技により、大田の率直な性格を際立つ。張曜元監督による東京藝術大学大学院映像研究科の卒業制作作品で、今回がワールドプレミアとなる。

※西岡徳馬の「徳」は旧字体が正式表記

台詞なし!男の悲しみと激情を一刀入魂の殺陣で魅せるチャンバラ時代劇『Loudness』

『Loudness』監督:地曵豪
『Loudness』監督:地曵豪[c]2024 Loudness

時は元禄、寒村に肩を寄せ合い生きる夫婦がいた。男は越後の荒れ果てた大地を耕し、妻は男の帰りを待ちながら食事の支度をする。そんな幸せな日々が、ある日唐突に終わりを告げる。台詞はなく、大地を耕す音、菜を刻み、煮炊きする音など、暮らしの音をしっかりと聞かせる本作のタイトルは『Loudness』。今回がワールドプレミアとなる。

無為に見える時間に潜む密かな想いを描く会話劇『立てば転ぶ』

『立てば転ぶ』監督:細井じゅん
『立てば転ぶ』監督:細井じゅん[c]JUN HOSOI

個人経営スーパーの閉店後、安達、石川、内田はバイトのシフトがよく重なる。執拗に無駄話をふっかける安達、応酬する石川、黙々と仕事する内田。安達の駄弁には彼女なりの理由があった。本作が初監督作となる細井じゅんは、大学の演劇サークルで役者を始め、卒業後は舞台や映像作品へと活動の場を広げた。今回がワールドプレミアとなる。

世界のゆがみと愛おしさを描くアニメーション映画『チューリップちゃん』

『チューリップちゃん』監督:渡辺咲樹
『チューリップちゃん』監督:渡辺咲樹[c]sakichi

小学生の女の子チューリップちゃん。将来の夢は「還暦を孫にお祝いしてもらうこと」。周囲に馴染めないまま大きくなったチューリップちゃんの元に「私は未来から来たあなたの子どもです」という少女がやってくる。東北芸術工科大学映像学科卒業制作の作品で、渡辺咲樹が監督、脚本、作画、音楽を1人で務める。今回がワールドプレミアとなる。

出所した兄と迎えた弟が、生き別れた妹を探す旅に出る『だんご』

【写真を見る】『横道世之介』『さかなのこ』の沖田修一監督が好演する短編映画(『だんご』監督:田口智也)
【写真を見る】『横道世之介』『さかなのこ』の沖田修一監督が好演する短編映画(『だんご』監督:田口智也)[c]2024 Yoshitaka Tateishi

刑務所から出所した兄の健は、出迎えた弟の欽也から生き別れた妹の存在を聞かされる。2人はその足で妹が住んでいる秩父へと向かうが、道中でヒッチハイクをしていた女性を乗せる。兄の健役に『さかなのこ』(22)の沖田修一監督。沖田監督作のような、ほのぼのとした味わいの1作は田口智也の初監督作で、今回がワールドプレミアとなる。

妄想する男と妄想される女のぎこちないラブストーリー『松坂さん』

『松坂さん』監督:畔柳太陽
『松坂さん』監督:畔柳太陽[c]2023 映画美学校

木嶋は、夜のグラウンドでトンボをかける女性の映画を撮ろうと考えているが、脚本が進まない。新人バイトの松坂に惹かれ、当て書きしようと思いつくが、突然彼女はバイトを辞めてしまう。人づき合いの苦手な者同士がぎこちなく交わす言葉に、監督、脚本、編集を担った畔柳太陽の感性が光る。今回がワールドプレミアとなる。

学校で噂される「呪いの絵」を巡るホラー映画『私を見て』

『私を見て』監督:山口心音
『私を見て』監督:山口心音

女子校に通っている春花と奈々は、「呪いの絵」の噂を耳にする。美術室で偶然見つけたその絵には、1人の少女が描かれていたが、徐々に2人は少女の絵に翻弄されていく。大学で石井岳龍らの薫陶を受けた山口心音の初監督作で、思春期の少女たちの心に潜むまがまがしさを17分の短編ホラーに仕上げた。今回がワールドプレミアとなる。

いつも彼女を追いかけていた私と彼女の物語『はなとこと』

『はなとこと』監督:田之上裕美
『はなとこと』監督:田之上裕美[c]はなとこと / 田之上裕美

琴は幼なじみの華を姉のように慕い、同じ進学先を選ぶ。2人は同学年の圭一と出会い、琴は華の圭一への好意に気がつくが、その直後に2人の関係は予期せぬ方向へ…。監督は『裸足』(21)で、なら国際映画祭の学生部門NARA-wave、東京国際映画祭Amazon Prime Video テイクワン賞ファイナリストに選出された田之上裕美。今回がワールドプレミアとなる。

まさに新しい才能の宝庫である「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024」。上映チケットは日時および座席指定券となり、1回の上映につき、1枚のチケットが必要となるが、コンペ作品のフリーパスも現在発売中。また、オンライン配信は単品レンタルと見放題プランを選べられる。詳しいチケット情報、各上映のスケジュール詳細は公式サイトでチェックしてほしい。


文/山崎伸子

■SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024
日程:【スクリーン上映】7月13日(土)~21日(日)、【オンライン配信】7月20日(土)~24日(水)
会場:SKIPシティ 彩の国 ビジュアルプラザ 映像ホールほか
内容:国際コンペティション、国内コンペティション(長編部門、短編部門) ほか
URL:https://www.skipcity-dcf.jp/

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