【ネタバレあり】本編鑑賞後の人だけ読んで!小ネタ満載『デッドプール&ウルヴァリン』詳細解説レビュー

コラム

【ネタバレあり】本編鑑賞後の人だけ読んで!小ネタ満載『デッドプール&ウルヴァリン』詳細解説レビュー

虚無で出会う、剪定されたヒーロー&ヴィランたちがヤバすぎる!

ミスター・パラドックに剪定され、“虚無”へ送られてしまったデッドプールとウルヴァリン
ミスター・パラドックに剪定され、“虚無”へ送られてしまったデッドプールとウルヴァリン[c] 2024 20th Century Studios / [c] and TM 2024 MARVEL.

ここで1度は対立したデッドプールとウルヴァリンだが、そこに現れた無法者と思わしき集団とそれに立ち向かうフードで身を隠した男の登場で2人の争いは中断。フードの下から現れた顔は、キャプテン・アメリカを演じてきたクリス・エヴァンス!ここで、キャプテン・アメリカと合流し、MCU要素が復活するのかと思いきや、彼が発した言葉は「フレーム・オン!」。なんと、エヴァンスがキャプテン・アメリカ以前に演じていた「ファンタスティック・フォー」シリーズのジョニー・ストーム=ヒューマントーチだった。TVAでアベンジャーズの活躍を見せる前振りから高めた期待感を肩透かしさせつつ、豪華キャストの夢の共演で笑わせにくるセンスは流石!また、MCU版「ファンタスティック・フォー」の製作決定に伴い、20世紀FOX版「ファンタスティック・フォー」も新たに剪定された存在であることがわかる点も含めて、ここでのエヴァンスの登場はものすごく絶妙だ。

一方、ヴィランとしてまず登場したのは、シリーズ第1作の『X-MEN』からアーロン・スタンフォード演じるパイロとタイラー・メイン演じるセイバートゥース。ウルヴァリンはセイバートゥースとの戦いに勝利するも、パイロの協力な磁石を使った罠にはまり、デッドプール共々囚われの身となり、虚無を支配するボスの元へと連れていかれる。

虚無を支配するボスのアジトとして、巨大化したまま死亡したアントマンの亡骸を利用した建物が登場。ちなみに、この「巨大化したまま死亡したアントマン」は、コミックスの「ウルヴァリン:オールドマン・ローガン」に登場しているのでそれが元ネタとなっている。そして、ここで待ち構えていたヴィランたちも、旧「X-MEN」から総登場。主なメンバーは、1作目の『X-MEN』からトード、『X-MEN2』(03)からケリー・フー演じるレディ・デスストライク、『X-MEN:ファイナル・ディシジョン』(06)からジャガーノート、『X-MEN:ファーストジェネレーション』(11)からアザゼルなどが顔を揃える。これは「X-MEN」シリーズから主要キャラを揃えることで集大成感を見せ、同シリーズもこの世界から剪定された存在となっていることが示されたとも取ることができる。

プロフェッサーXの双子の妹カサンドラ・ノヴァ、過去の「X-MEN」シリーズに登場したキャラクターたちが続々登場!
プロフェッサーXの双子の妹カサンドラ・ノヴァ、過去の「X-MEN」シリーズに登場したキャラクターたちが続々登場![c] 2024 20th Century Studios / [c] and TM 2024 MARVEL.

そんな状況のなかで、今回のボスキャラであるエマ・コリンが演じるカサンドラ・ノヴァが登場。劇中で説明があるとおり、カサンドラはプロフェッサーXことチャールズ・エグゼビアの双子の妹で、兄の殺害とミュータントの絶滅を目論む凶悪な存在。「X-MEN」シリーズの総決算にはまさにピッタリの存在だと言えるだろう。

敵のアジトからの脱出に成功したデッドプールとウルヴァリンは、デッドプールと同じ衣装を着て、素顔を出したスッキリイケメンのナイスプールとドッグプールと遭遇。ナイスプールは、別次元のデッドプールであり、“虚無”にはほかにもたくさんの別次元からのデッドプールが来ていることが暗示される。

ホンダのオデッセイで虚無をランデブー
ホンダのオデッセイで虚無をランデブー[c] 2024 20th Century Studios / [c] and TM 2024 MARVEL.

その後、2人はナイスプールからもらったホンダのオデッセイでヒューマントーチの仲間であるカサンドラの組織に対して、レジスタンス活動を行うメンバーを探す旅へ。しかし、その旅の途中でも再び仲間割れが勃発。互いに超再生能力を持っているために、長時間の激闘を経て、疲れ果てた2人は、見知らぬ場所で目を覚ます。そこは、目指していたレジスタンスのアジトであり、そこには、やはり20世紀フォックス絡みで剪定されたヒーローたちの姿があった。

『デアデビル』や『エレクトラ』で活躍したジェニファー・ガーナー演じるエレクトラ・ナチオス、「ブレイド」シリーズの主人公であるウェズリー・スナイプス演じる吸血鬼ハンターのブレイド、『LOGAN/ローガン』で登場したウルヴァリンの遺伝子から生まれたミュータントのダフネ・キーン演じるローラ。この3人は映画に登場したキャラクターだが、さらに驚きのメンバーが。それが、チャニング・テイタム演じるガンビットだ。ガンビットは原作版「X-MEN」に登場する人気キャラクターで、20世紀FOXにて映画化が企画されていた。しかし、テイタムは乗り気ながらもなかなか軌道に乗らず、最終的には20世紀FOXがディズニー傘下に入ったことで企画が消滅したという不遇の存在。ガンビットの映画を楽しみにしていたファンにとっては、最大級の飛び道具的サプライズキャラクターだ。

本作いちのサプライズ?チャニング・テイタムがガンビット役で登場!
本作いちのサプライズ?チャニング・テイタムがガンビット役で登場![c]Everett Collection/AFLO

ちなみに、スナイプスの「ブレイド」シリーズは20世紀FOXではなく、ニューラインシネマ製作。いずれにせよ、彼らもまたヴィラン側と同じく「忘れ去られた存在」として虚無に送られていたのだが、それでもベテランのアメコミ映画ファンには忘れられない存在であることは間違いない。そんな彼らがレジスタンス活動を続けていたという描かれ方と、デッドプールとウルヴァリンと共にチームを組むのはまさに胸熱な展開。新たなチームを組んでホンダオデッセイでカサンドラのアジトへと向かうデッドプールたち。ここでのレジスタンスチームの戦闘シーンは劇中最大の盛り上がりポイントと言っていいだろう


レジスタンスチームの見事な連携プレーで、カサンドラの能力を封じることに成功!
レジスタンスチームの見事な連携プレーで、カサンドラの能力を封じることに成功![c] 2024 20th Century Studios / [c] and TM 2024 MARVEL.

レジスタンスのチームは、カサンドラが持つ、相手の脳に干渉するサイキック能力を封印すべく、作戦を展開。ローラがサイキック能力を防ぐジャガーノートのヘルメットを奪い、デッドプールがそれをカサンドラに被せることで形勢逆転に成功する。その状況で、自分が敬愛していたプロフェッサーXは、自分の妹も愛していたに違いないという理由から、ウルヴァリンはカサンドラを殺さないことを選択。この判断を受けて、カサンドラは2人をデッドプールが住んでいたアース10005へと戻す。

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