【ネタバレあり】あなたはいくつ気づいた?『エイリアン:ロムルス』にちりばめられたイースターエッグの数々
果敢に戦うレインの姿がリプリーに重なっていく…
もうひとつの大きな注目ポイントは、シリーズに頻繁に登場する妊娠の描写。今回はすでに妊娠していたケイ(イザベラ・メルセード)が、お腹の子を助けようとして、ルークがブラックグー(『プロメテウス』に登場するエイリアンから抽出した黒い液体)から作った薬、Z-01ことルークが呼ぶところの“プロメテウスの火”を注射したためハイブリットの子ども、大きなオフスプリング(子孫という意味)が誕生する。そのルックは『プロメテウス』と『エイリアン:コヴェナント』に登場した人類の創造主、エンジニア風になっているのがポイントでかなりグロテスク。エイリアン、エンジニア、そして人間のDNAが合わさって生まれた新種といえる。本作では最後、放出されて終わっているが、果たして実際に死んだかはわからない。続編が作られるなら、また登場する可能性もありそうだ。
このオフスプリングがレインの最後の脅威になるのだが、シリーズではお馴染みの最後のサスペンス、爆破のカウントダウン(今回は小惑星に衝突するまでのカウントダウン)が続くなか、下着姿のレインが宇宙服を着てオフスプリングを宇宙空間に放り出すのは『エイリアン』のリプリーと同じだ。さらに、その唯一の生き残りがモノローグで日誌風に記録を残すのも『エイリアン』と同じだった。
そのほかにも、エレベーターでゼノモーフがレインの顔に近づけて口を開けるのは『エイリアン3』のリプリーと同じ。若者たちがステーションの廊下を疾走するシーンも『エイリアン3』とよく似ている。また、レインの靴は『エイリアン』でリプリーが履き、のちに市販されたリーボックのエイリアンスタンパーだという。これらはまだ氷山の一角。挙げだしたらきりがないほど過去作とのリンクが多く、そういう意味ではこれまでのシリーズの集大成的な立ち位置になった作品といえるかもしれない。
ところで、フェデ・アルバレス監督のインタビューでは、『ブレードランナー』にちなんだオリガミが登場しているという小ネタをイースターエッグとして教えてくれていた。言われて再度チェックしたものの見つけられなかったので、もし見つけた人がいたらぜひとも報告してください!
文/渡辺麻紀