『マッチング』で描かれる情報化社会のリアルな恐怖…何度も観返したくなる映画たちの魅力に迫る
使い方次第で大きく変わるツールをリアリティたっぷりに描く
中島裕翔主演作『#マンホール』(23)は、マンホールに落ちた青年がスマホを使って脱出を試みるシチュエーション・スリラー。結婚式の前夜、パーティーで酩酊した川村(中島)が目を覚ましたのは朽ち果てたマンホールの底。右足に大怪我を負い動けない彼は、スマホで救助を求めるが…。GPSの不具合で自分の居場所がわからないと知ると、SNSに画像をアップし情報提供を呼びかけ、元カノの協力を得ながら自分の居場所を割りだそうとする川村。スマホやネットをサバイバルツールとして活用した本作だが、同時に“偽装”というデジタルならではのヒネリも効かせたワザありの作品だ。
ナオミ・ワッツ主演の『デスパレート・ラン』(21)もスマホを手にサバイバルする主婦を描いたスリラー。自宅から離れた森でのジョギング中に息子の学校で銃撃事件が起きたことを知った母親が、ママ友たちとの情報共有やマップ、AR機能を使ったルート検索、グループ通話を駆使して息子のもとに駆けつける。収税課に勤める彼女は職場と連携し、警察より先に犯人の割りだしに成功するなど、スマホをフル活用して活躍した。
いまや社会インフラというべき大手ECサイトを題材にし、大ヒット中の社会派サスペンス『ラストマイル』(公開中)。大手ネットECサイトのセンター長の舟渡(満島ひかり)は、自社の荷物を使った連続爆弾事件に挑む。ネットという手軽さと迅速な配送で定着したECだが、近年の需要拡大と共に過重労働など現場の過酷な環境も浮き彫りになっている。ITを直接絡めた物語ではないが、ネットが持つ負の側面を浮き彫りにしたいまの時代だからこそ生まれた作品と言える。
映画『マッチング』
9月20日(金)発売:マッチング Blu-ray豪華版(特典Blu-ray2枚付) 9,020円(税込)
DVD豪華版(特典DVD2枚付) 7,920円(税込)/DVD通常版 4,400円(税込)
発売元・販売元:KADOKAWA
[c]2024『マッチング』製作委員会
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