ティム・バートンが語る、『ビートルジュース ビートルジュース』での“原点回帰”「アドリブこそが1作目のおもしろさ」

インタビュー

ティム・バートンが語る、『ビートルジュース ビートルジュース』での“原点回帰”「アドリブこそが1作目のおもしろさ」

マイケル・キートン演じる“人間怖がらせ屋(=バイオ・エクソシスト)”のビートルジュースがハロウィンに大騒動を巻き起こす。鬼才ティム・バートン監督が自身の出世作である『ビートルジュース』(88)のその後の物語を描く『ビートルジュース ビートルジュース』が、ついに日本公開を迎えた。

名前を3回呼ぶと死後の世界から現れるビートルジュースの野望は、人間と結婚して楽しい人間界へ移住すること。かつて結婚を迫るも叶わなかったリディア(ウィノナ・ライダー)のことが忘れられずにいたある日、リディアの娘アストリッド(ジェナ・オルテガ)が死後の世界にさらわれてしまう。リディアから結婚を条件に娘を助けてほしいと頼まれるビートルジュースだったが、そこに元妻ドロレス(モニカ・ベルッチ)が現れ、人間界も巻き込んだ大騒動が幕を開けることに。

「35年経ったとはとても思えなくて、『つい先週もここに来た』と感じたぐらいです」

オリジナルキャストの再結集に新たなキャストの参戦、手作り感あふれるポップでダークな世界観で、まさに“ティム・バートンワールド”の決定版とも呼ぶべき仕上がりとなった本作。物語の舞台は前作と同じ小さな町ウィンター・リバー。撮影が行われたのも前作と同じバーモント州の町だ。バートン監督は、この“原点回帰”ともいえる試みに挑んだ撮影をしみじみと振り返る。

【写真を見る】マイケル・キートンとの黄金タッグが復活!久々の続編に、ティム・バートン監督はなにを思う?
【写真を見る】マイケル・キートンとの黄金タッグが復活!久々の続編に、ティム・バートン監督はなにを思う?[c]2024 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

「バーモント州を再び訪れるのは、本当におもしろい体験でした。『どうなってる?もう建物だらけか?』と気になっていましたからね。けれど、実際には不思議なほどに昔から変わっていませんでした。奇妙でしたよ。35年経ったとはとても思えなくて、『つい先週もここに来た』と感じたぐらいです。それはそれは不思議な気分でした。でもそれもまた、あの土地が持つ雰囲気でしょう。昔もいまも少し独特で、まるで同じスタッフと再び仕事をするようでした。ウィンター・リバーに戻れたことは感慨深かったです。あの場所の空気を感じることで、自分もまたなにかを得られたと思います」。


バートン監督にとっては『ダンボ』(19)以来5年ぶりの長編作品であり、“続編映画”を手掛けるというのも『バットマン リターンズ』(92)以来、実に32年ぶりのこととなった。なによりも、前作の公開から36年という大きなブランクが開いた続編を作ることは決して容易なことではない。バートン監督はいかにして独自の世界観を保っていったのだろうか?

オリジナルキャストに加え、新キャストも個性豊かな顔ぶれに
オリジナルキャストに加え、新キャストも個性豊かな顔ぶれに[c]2024 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

「(脚本家の)アフレッド・ゴフとマイルズ・ミラーとは『ウェンズデー』で一緒に仕事をしたので、彼らのことはよくわかっていました。作品を共に作り上げるのに前向きで、とてもやりやすかったです。(制作については)基本的には1作目と同じような進め方です。1作目では脚本はありながらも、俳優たちのアドリブを作品に取り込みました。そしてアドリブこそが1作目のおもしろさであるということに気付いたんです。今回もある意味、制作を進めながら脚本を練り上げていきました。性格俳優と呼べる実力派キャストたちが多くのものをもたらしてくれました。この点も1作目と同じです。本作を作るにあたっては、あまり深く考えずに、1作目を制作した時の楽しい気持ちに立ち返ることにしたんです。キャスト全員がそれぞれのキャラクターに入り込み、1作目と同じ気持ちで仕事ができたので、とてもワクワクしましたよ」。

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