『ベイマックス』に『ズートピア』、『モアナと伝説の海』まで!ディズニー・アニメーションで描かれてきた感動必至の“バディ”をプレイバック
傷ついた天才少年とケアロボットの心の交流『ベイマックス』(14)
3歳の時に両親を亡くし、唯一の理解者は兄のタダシだった14歳の天才少年ヒロ。タダシを謎の爆発事故で失い、悲しみのあまり心を閉ざしてしまったヒロの前に、生前のタダシが人の心とカラダを守るために発明したケアロボット、ベイマックスが現れる。
天才的な頭脳を持っているけれど、まだまだ多感な思春期にいるヒロが、彼の傷ついた心を懸命に癒し、包み込もうとする優しいベイマックスのおかげで、徐々に心を開いていく。ヒロを癒すためにベイマックスがとる突拍子もない数々の行動も微笑ましい。2人の風変わりな関係性の根底には、兄タダシの消えることのない弟への深い家族愛があるのが本作のポイントだ。戦闘意欲も能力もゼロのベイマックスを相棒に、タダシの死に不審を抱いたヒロが真相に迫っていく展開もスリリングで、クライマックスは涙なしには見られない。
女性警察官と皮肉屋の詐欺師がタッグを組む『ズートピア』(16)
肉食動物と草食動物が共に暮らす大都会“ズートピア”を舞台に、ウサギの新米警察官ジュディと、キツネの詐欺師ニックがひょんなことから手を組んで、連続行方不明事件の解明に挑む。主人公となるバディが2人とも成人しているという設定はディズニー・アニメーション映画では珍しく、大人の心をハッとさせるメッセージ性のある物語が特徴。
周囲から草食動物らしくないと言われながらも、警察官になる夢を実現させたガッツのあるジュディに対し、幼少期に「キツネは信用できない」といじめられた経験から詐欺師になったニック。人生諦めモードで、現状に甘んじていた彼が、ジュディと出会って自分を見つめ直す姿は共感必至。また、ジュディが自分のなかにも偏見や差別があったことに気づくなど、互いに影響し合い、よりよく成長していくケミストリーがまぶしい。
正反対の2人が“信じることの大切さ”を伝える『ラーヤと龍の王国』(20)
龍と人が共存するかつての聖地クマンドラは、5つに割れた“龍の石”をめぐって5つの国に分裂し、対立が続いていた。龍の石の守護者である18歳の少女ラーヤは、クマンドラ再興のため、伝説の最後の龍シスーを目覚めさせることに成功。龍の石の欠片の力で、人間の女の子の姿に変身できるようになったシスーと共に、残りの龍の石の欠片を探す旅に出る。
幼い頃、心を許した友だちに裏切られて以来、人を信じることができなくなってしまったラーヤと、天真爛漫でポジティブなシスーは対照的なキャラクター。人を疑うことを知らず、いつも真正面から人を信じようとするシスーと旅を続けるうちに、ずっと一人ぼっちだったラーヤの心はじんわりと溶けていく。ラーヤが世界を救う方法は「信じ合う心」だという真理に到達する普遍的なテーマは、孤独を感じながら生きている現代人の胸に響くはず。