タランティーノ、カウリスマキが所有する劇場も。映画ファンならいつかは行きたい世界のユニークな映画館を集めてみた

コラム

タランティーノ、カウリスマキが所有する劇場も。映画ファンならいつかは行きたい世界のユニークな映画館を集めてみた

数々の傑作で知られる映画監督のアキ・カウリスマキが、フィンランドの鉄鋼の町カルッキラに、2021年にオープンさせた映画館キノ・ライカ。この映画館が開業される様子を記録したドキュメンタリー『キノ・ライカ 小さな町の映画館』が公開中だ。そこで今回は、映画好きなら一度は行ってみたい、ユニークな特徴を持つ世界の映画館を集めてみた。

【写真を見る】内観もおしゃれなキノ・ライカなど、世界のユニークな映画館集めてみた
【写真を見る】内観もおしゃれなキノ・ライカなど、世界のユニークな映画館集めてみた[c]43eparalleleproductions

アキ・カウリスマキ作品に迷い込んだかのようなキノ・ライカ(フィンランド)

フィンランドの首都ヘルシンキから車で1時間ほどの場所にある、人口9000人ばかりの小さな町、カルッキラ。森と湖と、いまは使われなくなった鋳物工場しかないこの町の”初めての映画館”として誕生したのがキノ・ライカだ。

工場を改造して作られたキノ・ライカ。レンガ造りの外観が渋い
工場を改造して作られたキノ・ライカ。レンガ造りの外観が渋い[c]43eparalleleproductions

この場所に長らく暮らすアキ・カウリスマキが、友人の詩人ミカ・ラッティと共に共同経営者を務めるキノ・ライカは、工場の一角を改装したもので、レンガ造りの外観が魅力的。スクリーンに加えて、豊富なセレクションを誇るワインバーや、小川に面したテラスを備えた複合文化施設となっている。

まるでカウリスマキ映画に迷い込んだかのようだ
まるでカウリスマキ映画に迷い込んだかのようだ[c]43eparalleleproductions

映画のセット設営もやってきたカウリスマキ監督が、デザインや色彩、コンセプトといった現場責任者を担当したため、モダンなバーの看板や犬のライカの絵など、カウリスマキ作品の要素を至るところに感じることができる。

カウリスマキ監督と詩人のミカ・ラッティが共同オーナーを務めている
カウリスマキ監督と詩人のミカ・ラッティが共同オーナーを務めているPhoto: Tomi Wahlroos

実際、バーカウンターは『浮き雲』(96)のレストランや『希望のかなた』(17)の怪しい寿司屋で登場したものが使用されており、ファン垂涎の空間となっている。ちなみにカルッキラの町は『希望のかなた』などでも登場しており、『枯れ葉』(23)の鋳造所のシーンはキノ・ライカの隣の工場で撮影されたそうだ。

カウリスマキ映画に登場してきたバーカウンターが!
カウリスマキ映画に登場してきたバーカウンターが![c]43eparalleleproductions

『キノ・ライカ 小さな町の映画館』では、6月に工事を始めて10月にはオープンというものすごいスピードで誕生したこのキノ・ライカに密着。実際に自分の手で椅子を取り付けたり、スクリーンを張ったり、工事仕事に勤しむカウリスマキの姿が映しだされていく。

カウリスマキ監督自ら工事をする様子も
カウリスマキ監督自ら工事をする様子も[c] 43eParallele

カウリスマキはもちろん、ジム・ジャームッシュといった親交のある人々のインタビューやカルッキラの風景を通じ、この田舎町への思いや映画館を作った理由が語られており、キノ・ライカを訪れたくなる一作となっている。

盟友ジム・ジャームッシュも登場する
盟友ジム・ジャームッシュも登場する[c] 43eParallele


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