『ターミネーター2』に『ウォーリー』、『野生の島のロズ』まで!ロボットやAIに芽生える“心”を描いた感涙必至の映画たち

コラム

『ターミネーター2』に『ウォーリー』、『野生の島のロズ』まで!ロボットやAIに芽生える“心”を描いた感涙必至の映画たち

AI技術やテクノロジーの発達によって、世界中でロボット市場が急速に拡大し、様々な機能を持つ家庭用コミュニケーションロボットが製品化されている。このまま技術革新が進めば、誰かと心を通わせることができるロボットも将来的に実現可能なのだろうか?そんな未来への憧れか、映画の世界においても人工知能を備えたロボットが活躍するSF作品は、古くから観客に愛されてきた人気ジャンルの一つだ。

プログラムに従うだけだったロズに感情が芽生えていく(『野生の島のロズ』)
プログラムに従うだけだったロズに感情が芽生えていく(『野生の島のロズ』)[c]2024 DREAMWORKS ANIMATION LLC.

ドリームワークス・アニメーション30周年の記念作品であり、人間のための最新型アシスト・ロボットを主人公にした感涙必至のSFアドベンチャー『野生の島のロズ』(公開中)もまた、世界43か国で初登場1位を記録するなど大きな注目を集めている。そこで今回は、ロボットの“心”を描き、観る者の感情を強く揺さぶる、本作にも通じる作品たちを紹介していきたい。

少年と戦闘マシンの間に育まれる疑似父子的な絆が熱い『ターミネーター2』

ジェームズ・キャメロン監督の出世作『ターミネーター』(84)の続編で、アーノルド・シュワルツェネッガーが未来の人型マシンを演じたSFアクション『ターミネーター2』(91)。前作で敵だったターミネーターが、本作では外見はそのまま、中身のプログラムを書き換えられ、主人公の少年ジョン(エドワード・ファーロング)と母親サラ(リンダ・ハミルトン)を守る頼もしい味方として未来から送り込まれる。

【写真を見る】アーノルド・シュワルツェネッガー演じる人型マシン、ターミネーターが少年ジョンと疑似父子的な絆を育んでいく『ターミネーター2』
【写真を見る】アーノルド・シュワルツェネッガー演じる人型マシン、ターミネーターが少年ジョンと疑似父子的な絆を育んでいく『ターミネーター2』[c]Everett Collection/AFLO

核戦争によって荒廃した未来の地球、人類とコンピュータとの戦争というスリリングな設定。ド派手なアクションシーンもさることながら、本作を特別なものにしているのは、あどけなさが残る10歳のジョンと、彼を守ることを使命とする屈強なターミネーターとの疑似父子的な関係性だ。無限にものを学ぶターミネーターが、ジョンからスラングやジェスチャー、命の価値などを教わるうちに、無機質な存在からどんどん人間くさく見えてくるところがいい。クライマックスでは、人間が涙を流す意味を初めて理解したターミネーターが取る選択が胸を打つ。

人類の未来を守るため、ターミネーターが取る選択に涙!(『ターミネーター2』)
人類の未来を守るため、ターミネーターが取る選択に涙!(『ターミネーター2』)[c]Everett Collection/AFLO

母への愛を永遠に抱き続ける少年型ロボットの旅路『A.I.』

ブライアン・オールディスの短編小説「スーパートイズ」を映画化するという名匠スタンリー・キューブリックの企画を引き継いだスティーヴン・スピルバーグ監督が、キューブリックの死後に撮り上げた『A.I.』(01)。「ピノキオ」の物語をモチーフに、ハーレイ・ジョエル・オスメント演じる愛情を持つ少年型ロボットが、本物の人間になることを夢見て旅に出る。

愛情を持つ少年型ロボットが本物の人間になることを夢見て旅に出る『A.I.』
愛情を持つ少年型ロボットが本物の人間になることを夢見て旅に出る『A.I.』[c]Everett Collection/AFLO

主人公デイビッド(オスメント)は、最初に“親”だと認識させた人間を愛し、愛されることを望むようにプログラムされた最先端ロボット。母親モニカ(フランシス・オコナー)の愛を得るためと言われれば、突拍子もないことでも盲目的に行動してしまう。そんな彼のロボットならではの純粋すぎる行動の数々が、人間の子どもが親に抱く原始的な感情と重なって見えるのがせつない。デイビッドが森に捨てられたあとも、彼を見守るぬいぐるみ型ロボットのテディ(声:ジャック・エンジェル)や、旅の道連れとなる男性型セックス・ロボット、ジョー(ジュード・ロウ)など高度な知能を持つロボット同士の友愛的な関係も心に響く。

母親モニカの愛を求めるデイビッドの姿がせつない(『A.I.』)
母親モニカの愛を求めるデイビッドの姿がせつない(『A.I.』)[c]Everett Collection/AFLO


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