『ラ・ラ・ランド』とあわせて観ると魅力倍増!色鮮やかな傑作ミュージカルに酔いしれる♪
2017年、映画界の話題を一挙にさらい、大ヒットしたミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』(16)。この作品のスタイルに大きな影響を与えたといわれる往年の名作フランス映画『ロシュフォールの恋人たち』(67)や『シェルブールの雨傘』(64)が、この秋、デジタル・リマスター版で劇場のスクリーンに甦る!一度観ただけでつい口ずさんでしまう印象的な音楽と、歓びや哀しみを鮮やかに描き出す美しい映像。『ラ・ラ・ランド』で見事にオマージュされているその原点に、改めて注目してみたい。
双子の姉妹が様々な夢を持ちながら運命の恋人を探す『ロシュフォールの恋人たち』と、カップルの運命的な別れを描いた『シェルブールの雨傘』は、カトリーヌ・ドヌーヴほか豪華スターが瑞々しい演技で魅せるミュージカル映画の金字塔。これらを手掛けたのは、ヌーヴェルヴァーグきってのロマンチスト、ジャック・ドゥミ監督と、映画音楽界の生きる伝説ミシェル・ルグラン。2人は1960年代から70年代にかけて最強のタッグを組み、多くの傑作を世に送り出した黄金コンビだ。
熱狂的なミュージカル映画ファンである『ラ・ラ・ランド』の監督デイミアン・チャゼルは、この2作品から影響を受けたと公言している。例えば、いきなり踊り出して観客の心をわしづかみにするオープニング。これは、『ロシュフォール~』で、労働服の男女が粋に踊る冒頭シーンを思い出させる。カラフルでオシャレな美術と衣裳、叙情あふれる音楽に彩られる男女の出会いと別れは3作に共通する要素であり、『ロシュフォール~』の心高鳴る陽気さと『シェルブール~』の胸を引き裂く切なさは、どちらも『ラ・ラ・ランド』劇中に色濃く踏襲されている。
2作品は、『ロバと王女』(70)、『ベルサイユのばら』(79)と共に、ジャック・ドゥミ×ミシェル・ルグラン作品の特集上映「シネマ・アンシャンテ」として、10月14日(土)から全国各地で一週間限定公開される予定。映画が持つ魔法の力を見せてくれる人生賛歌を、ぜひ『ラ・ラ・ランド』とあわせて堪能してみてほしい!【トライワークス】