堤真一や夏川結衣が、肝臓摘出の手術を見学した撮影裏話を披露
現職医師でもある大鐘稔彦の医療小説を、堤真一主演で映画化した『孤高のメス』(6月5日公開)の完成披露記者会見が4月26日、有楽町よみうりホールで開催された。堤真一、夏川結衣、吉沢悠、中越典子、平田満、成島出監督が登壇、手術現場の撮影シーンの話など興味深い裏話を語ってくれた。
大鐘稔彦が、実体験を交えて“生体肝移植”をテーマに綴った本作で、堤真一が演じるのは、国内初の生体肝移植に挑む主人公の医師・当麻鉄彦役だ。当麻と似ている点を尋ねられた堤は「本当に見当たりません。僕がやっていいのかなと(笑)」とキッパリ。でもその後、こう付け加えた。「実際に撮影してみて、オペシーンではチームワークを感じました。そういう意味では、俳優の仕事と医者、外科医ってのは似てるのかなと」。
リアリティを追求した本作では、現役医師陣が完全バックアップした本格的な手術シーンが見ものだ。堤らは撮影前に、実際に肝臓がんの摘出手術などに立ち会い、いろいろなアドバイスをもらったという。堤は「ガラス越しではなく、本当に執刀医の先生の横から眺めさせていただきました。オペ室の雰囲気や、技術的なこと、肝臓摘出の手順などのすべてを、全員が医療指導の先生に教わりました」と語った。
ナースの中村浪子役の夏川も「(メスなど)何をくれって言われる前に準備をしておくのが大事だそうです」と言い、外科医・青木隆三役の吉沢悠も「堤さんたちと糸結びをひたすら練習しました。待ちの時、椅子を見ると、糸結びの後がたくさんあって」と、それぞれが真摯な表情でコメントした。
また、当麻は都はるみの歌を聞きながら執刀するという設定だが、これは監督のアイデア(モデルとなった先生は石川さゆりの曲を聞きながら執刀するとか)だという。成島監督は「手術中に聴くには、こぶしがききすぎるんですが…」と苦笑い。でも、堤は「糸結びの練習でも、都さんの曲を聞きながらやりました。パワフルだし、やっぱりすばらしい方の歌って力がもらえるんだなと思いました」と笑顔でコメント。
彼らの熱意は、スクリーンに映し出されている。本作を見れば、緊張感あふれるリアルな手術シーンや、本物と見まがうほど作り込まれた臓器に思わず目がくぎ付けに! また、主人公・当麻の医師としての信念の強さ、孤高の精神には胸が熱くなるに違いない。まさに必見の価値ありの1本だ!【Movie Walker/山崎伸子】