生田斗真、瑛太と共演の『友罪』は「賛否両論も起こりうる」
薬丸岳のベストセラー小説を映画化した『友罪』(5月25日公開)の完成披露試写会が、4月24日にTOHOシネマズ 日比谷で開催。生田斗真、瑛太、夏帆、山本美月、富田靖子、佐藤浩市、瀬々敬久監督が舞台挨拶に登壇した。生田は「この映画、はっきり言って問題作です。賛否両論も起こりうると思っています」と切り出した。
『友罪』は、実在に起こった神戸児童連続殺傷事件から着想を得たミステリー小説の映画化作品。『64-ロクヨン- 』2部作(16)の瀬々敬久監督がメガホンをとった。
生田は「俺は絶対にやらなければいけない題材だと感じました。とはいえ、制作中やできあがってからもスタッフのみなさんと『この映画、本当に作って良かったんだろうか』とずっと考えながら撮影していた記憶があります。でも、同じ時代を生きてきた僕たちがエンタテインメントとして表現することは必要だと思って、覚悟をもってこの映画に挑むことにしました」と告白。
少年犯罪を犯す役どころの瑛太は「衣装合わせの時、監督にお会いしたら『僕が俳優だったらこの役は受けないけどね』と言われました」と言うと、MCが「最初に!?」と驚く。
瑛太は「少年Aの手記を読ませていただき、いろいろと感じることがあって。僕は殺人を犯した人間に関しては否定的なことを感じるんですが、少年Aに関して光のようなものを感じてしまって。最終的には彼がスクリーンに出てくる上で、お客さまに対してどういう光を与えられるのかなと想像しながら演じていました」とこの難役への思いを語った。
佐藤は本作の題材について「瀬々さんらしいなと思いました」とうなずく。「物事は多面的だと。昨今は勝った負けた、白か黒かという2元的な捉え方が多いんですが、いろんな見る側の側面があるんだと僕も思っているので。瀬々さんがこういうものに取り組んでいくという思いは僕もわかる気がします」。
最後に生田は「とてつもない覚悟をもって臨んだ作品です。エンタテインメントを生業にしているものの使命を感じながら撮影しました。この思いが少しでも届いたらと」と訴えると、瑛太も「重厚なヒューマンサスペンスなんですが、みなさん違う観点で観られていて、そういった意味でも可能性がある。ぜひ観た方は、周りの人に伝えていただけたらと」と呼びかけた。
取材・文/山崎 伸子