レディオヘッドの天才ギタリスト、映画音楽でもマルチな才能が開花!
93年発売の1stアルバム「Pablo Honey」からのシングル「Creep」で、世界的大ヒットを収めたバンドRADIOHEAD(レディオヘッド)。ポストパンクをルーツに、エレクトロニカや現代音楽、様々なジャンルを横断し「OK COMPUTER」(97)や「Kid A」(00)などの傑作アルバムを次々と発表。メジャーデビューから25年以上を経てもなお、音楽界の第一線に君臨し続けている。
ジョニー・グリーンウッドが音楽を手掛ける映画が立て続けに公開!
そんなレディオヘッドのサウンドを、フロントマンのトム・ヨークと共に支えているのが、ギターを担当するジョニー・グリーンウッドだ。ギタリストとしてバンドの革新的なサウンドを担うだけでなく、シンセサイザーやストリングスなど様々な楽器を操るマルチプレイヤーとしても有名。さらに2007年に音楽を担当した映画『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』でグラミー賞にもノミネートされ、以降は数々の映画音楽も手掛けるようになった。そんな彼が音楽を担当した映画2作品が日本で立て続けに公開される。
初老の天才仕立て屋と若いミューズの愛を繊細に不気味に盛り上げる
5月26日(土)に公開されるのは、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(07)のポール・トーマス・アンダーソン監督が名優ダニエル・デイ=ルイスを主演に迎えた『ファントム・スレッド』。1950年代のイギリスを舞台に、唯一無二のデザインと技術で、ファッション界のトップに君臨する仕立て屋のレイノルズ(デイ=ルイス)と、彼と惹かれ合いながらも、次第にレイノルズを翻弄していく若きウェイトレスのアルマ(ヴィッキー・クリープス)との狂気的な愛を描いていく。本作でグリーンウッドは、ジャズを参考にクラシカルなムードの音楽を多数提供。ピアノやストリングスをフィーチャーした楽曲は一聴すると繊細な音で構成されているが、そこにはレイノルズとアルマの恋模様と2人の関係性の変化を暗示するような、不穏な空気感も含まれている。
すべてを失った孤独な男の戦いを美しくスリリングに彩る
そして、6月1日(金)に公開されるのが第70回カンヌ国際映画祭で男優賞と脚本賞を獲得したクライムスリラー『ビューティフル・デイ』。行方不明者の捜索と奪還を請け負う元軍人のジョー(ホアキン・フェニックス)を主人公に、ある政治家から娘の救出を依頼された彼が、恐るべき陰謀に巻き込まれていく姿を活写。本作では『ファントム・スレッド』から一転、ギターや電子音を多用したソリッドな楽曲を提供。ノイジーな音色で映画をスタイリッシュかつスリリングに彩る。
異才グリーンウッドによる音楽も話題の2作品。映画館の極上の音響設備で、その世界観の違いを聴き比べてみてはいかがだろうか?
文/トライワークス
6月15日(金)発売
価格:2,400円+税
発売元:Invada Records / Hostess