「スッキリ!!」の映画ライターが分析!『インクレディブル』は、なぜ“異色”なピクサー作品なのか?
『インクレディブル・ファミリー』が映しだすヒーローたちの自己顕示欲
その流れを継承しつつ、新たな“内なる悪との闘い”が描かれたのが本作『インクレディブル・ファミリー』。今回も社会がスーパーヒーローを拒絶しているところから始まり、家庭内の問題として制御不能なパワーをもてあます末っ子ジャック・ジャックが描かれる。
物語における善悪はハッキリしているが、今回の内なる悪は、ヒーローの自己顕示欲だ。イラスティガールだけに注目が集まり、イクメンを立候補したMr.インクレディブルは彼女に対する嫉妬に狂う。またそんなイラスティガールも、注目を浴びたことで調子づいてしまい、敵の罠に…。大枠の物語は勧善懲悪アクションだが、これらに対処しようとする主人公達の姿は、大人の観客の心を打つことだろう。
文/よしひろまさみち
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