夏帆主演映画『きな子』、フィルム無駄使いの原因とは?
不器用な警察犬と訓練士との交流を描いた『きな子~見習い警察犬の物語』が8月14日(土)に公開初日を迎え、主演の夏帆をはじめ、戸田菜穂、山本裕典らキャストが小林義則監督と共に舞台挨拶に登壇。そこで小林監督から、犬のきな子よりもNGを出しまくり、何テイクも重ねたキャストの名前が明かされた。
亡き父のような警察犬訓練士になることを夢見る杏子(夏帆)は、警察犬訓練所の所長・番場晴二朗(寺脇康文)のもとで犬の世話を基本から学ぶ日々。ある日、ラブラドール・リトリーバーの子犬“きな子”と運命を感じた杏子は、“自分が警察犬に育てる”と宣言する。きな子は体も弱く、警察犬試験には何度も失敗。それでも合格をあきらめない杏子ときな子の姿が感動的に綴られていく。
本作でヒロインを熱演した夏帆は、「不安やドキドキした気持ちでしたが、私自身大好きな映画なので、やっと皆さんに見ていただけることを嬉しく思っています」とコメント。また、夏帆演じる訓練士の先輩・訓練士に扮した山本裕典は、実は犬が苦手。「今回の撮影で克服できましたが、“競演した犬を持って帰らないか?”と言われて断りました」と笑顔で話した。
動物が参加した映画の撮影では、テイクを何度も繰り返すほど大変な現場。小林監督は、「板東さん、セリフ覚えてます? 17テイクですよ。この映画で一番テイクを重ねたのは板東さん。フィルムを返してほしいです」とマイペースな板東に手を焼いたようだ。
板東栄二本人は、「僕は日本アカデミー賞助演男優賞(89年の『あ・うん』にて)を受賞したことがある。授賞式で同じテーブルに座っていた緒方拳さんが“なんでや!?”と怒っていた。(その演技力を)見抜けなかった監督が悪い」と言い訳をしながらも、「撮影後、僕がお詫びの手紙を書いた唯一の監督です」と反省している様子だった。
公開中の映画では、きな子の愛らしい表情はもちろん、何テイクも重ねながらも独特の存在感でその実力を発揮している板東の演技にも注目して、映画を堪能してもらいたい。【取材・文/鈴木菜保美】