英国アカデミー賞発表!『女王陛下のお気に入り』7部門最多受賞、主演男優賞はラミ・マレックに
現地時間2月10日ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールにて、第72回英国アカデミー賞(BAFTA Awards)が発表になった。この賞は英国映画テレビ芸術アカデミーの会員たちが選ぶ賞ではあるが、米国アカデミー賞の投票開始直前に行われることもあり、注目が集まる。主にイギリスで活躍する俳優や英国籍の映画が選ばれやすい傾向にある。
英国で撮影が行われた『女王陛下のお気に入り』(2月15日公開)は、主演女優賞(オリヴィア・コールマン)と助演女優賞(レイチェル・ワイズ)を英国女優たちが獲得し、脚本賞、美術賞、衣装賞、メイクアップ&ヘア賞、そして英国映画賞を受賞している。助演女優賞を受賞したレイチェル・ワイズは、「非凡なる才能を持った女優たちと共演できたことを誇りに思います。オリヴィア・コールマン、エマ・ストーン、あなた方を尊敬しています!」と語り、会場より大きな拍手を受けた。英国映画賞受賞についてヨルゴス・ランティモス監督は、「私はギリシャ人ですが、ここ数年は英国在住で、英国史のドラマを英国で撮影しました。スタッフ、キャストのみなさん、そして3人の主演女優たちを心から誇りに思います」と語った。
また、英国が誇るバンド、クイーンのフレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレックが主演男優賞を受賞し、ゴールデングローブ賞ドラマ部門主演男優賞、全米映画俳優組合賞主演男優賞に続く重要な前哨戦を勝ち抜いた。ラミ・マレックは受賞スピーチで、「素晴らしい俳優のみなさんと一緒にノミネートされて光栄です。アウトサイダーとしてこの映画に参加し役を演じるのはとても難しいことでした。クイーンと、クイーンの周りの人々、僕を仲間に入れてくれてありがとう。どんなときも揺るがず、怯まず、妥協を許さずいた最高のアウトサイダー、フレディ・マーキュリーに感謝します」と語った。スピーチの中では、監督を途中降板しているブライアン・シンガーではなく、後任監督として映画を完成させたデクスター・フレッチャーへの賛辞も述べられた。同じく、米国アカデミー賞において最多10部門ノミネートの『ROMA/ローマ』も、作品賞と外国語映画賞、アルフォンソ・キュアロンが監督賞と撮影賞を受賞し、ともに2月24日に行われる米国アカデミー賞受賞への弾みをつけた。
賞レース前半で勢いのあった『アリー/スター誕生』(18)は、作品賞や監督賞ほか7部門にノミネートされていたが、音楽賞のみを受賞。同日にロサンゼルスにてグラミー賞が行われており、主演のレディー・ガガは自身初となる主要部門の受賞をかけてロサンゼルスに残ることを選び、BAFTAは欠席。壇上にあがったブラッドリー・クーパーは受賞スピーチで、「最高のミュージシャンたちとともに映画音楽を作るという夢が叶いました。音楽はこの映画の鼓動のようなものです。レディ・ガガほか、みなさんに感謝します」と述べた。ゴールデングローブ賞からの巻き返しが期待されていたが、『ROMA/ローマ』や『女王陛下のお気に入り』の勢いは止まらず、グラミー賞でのベスト・ポップ・デュオ賞受賞の結果を受けて米国アカデミー賞でも楽曲賞を受賞するのみとの見方が濃厚だ。