ブラッドリー・クーパーが“俳優イーストウッド”を語る!『運び屋』インタビュー映像を入手
アカデミー賞監督賞を2度受賞しているクリント・イーストウッドが『グラン・トリノ』(09)以来10年ぶりに監督と主演の両方を務めあげた最新作『運び屋』(3月8日公開)。このたび本作でイーストウッド演じる“伝説の運び屋”アール・ストーンを追う敏腕捜査官コリン・ベイツを演じたブラッドリー・クーパーのインタビュー映像が到着した。
本作は、麻薬取締局の捜査をかいくぐりながら巨額のドラッグを運んだ実在の人物レオ・シャープの物語をもとにしたヒューマンドラマ。仕事一筋で家庭をないがしろにした挙げ句、事業の失敗で家財の一切を失ってしまった孤独な老人アール・ストーン。彼はある日「車を運転さえすれば金をやる」という話を持ちかけられ、その仕事をこなすのだが、それはメキシコの犯罪組織のドラッグの運び屋としての仕事だった…。
『アメリカン・スナイパー』(14)でイーストウッドと初めてタッグを組み、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたブラッドリー。さらに、もともとイーストウッドがメガホンをとる予定だった企画を譲り受けた『アリー/ スター誕生』(18)で監督デビューを果たし、アカデミー賞作品賞にノミネートされるなど大絶賛を獲得。いまや“イーストウッドの後継者”と目される存在だ。
そんなブラッドリーはインタビュー映像の中で、2度目のイーストウッド組参加の経緯を振り返りながら、自身の演じたコリンという役柄、そして“追う”コリンと“追われる”アールの間にある意外な共通点を語っていく。そして「アールは恐ろしいことをしていると同時に、知識と知恵をコリンに分け与えているんだ」と劇中での2人の関係性が、ブラッドリーとイーストウッドの関係性に近いものであることを示唆。
さらに本作の見どころを語ったブラッドリーは、脚本を初めて読んだ時にすぐさま「演じているクリントの姿が思い浮かんだんだ」と明かし「彼の人生のこの時期にとって完璧な役、完璧な俳優だと思った。88歳という年齢では珍しいことだと思う」と、本作が俳優としてのイーストウッドの集大成であると感じたことを、強い敬意をのぞかせながら語った。
これまで多くの作品に様々な形で携わり、ハリウッドの映画界を支えてきた88歳のイーストウッドと、今後のハリウッドを担っていくであろう44歳のブラッドリー。2人の名優がともに俳優としての立場で初めて対峙する瞬間を目に焼き付けながら、本作に込められたメッセージをしっかりと受け止めてほしい。
文/久保田 和馬