『ザ・タウン』監督・脚本・主演ベン・アフレックがリアルにこだわった理由を激白
ベン・アフレックが監督・脚本(共同)・主演を務める『ザ・タウン』(2月5日公開)のオンライン限定特別映像が解禁された。
“タウン”と呼ばれる強盗が多発するボストンの一区画、チャールズタウンが舞台の本作。銀行強盗を生業としている男が出会うはずのなかった女性に出会ったことで、“タウン”での人生という運命から抜け出し、彼女と共に新しい人生を踏み出そうともがく男の姿を描いたクライムドラマだ。
現在のチャールズタウンはとても平和な街だが、一昔前までの“タウン”は本作に描かれているとおりだったという。今回公開された特別映像ではそのリアルさを描き出すため、ベン・アフレック監督はこだわりを発揮した。共演のジェレミー・レナーは「ほとんどの出演者が前科者。元銀行強盗や服役囚も撮影に参加したよ」と明かす。ベン・アフレックは、実際に映画のような経験をして、更生した人たちに出演してほしいと考え、過去に犯罪に手を染めたことのある地元の住人を警官役のエキストラとして起用、現職の警官たちと共演させた。さらに表向き、生花店の店主業を犯罪の隠れ蓑とし、麻薬の密売などの元締め的存在で、タウンを牛耳る男を先日亡くなった個性派名脇役ピート・ポスルスウェイトが怪演している。彼の用心棒として起用されたデニス・マクローリンはベン・アフレックがロケハン中に偶然見つけたのだが、ベン・アフレックはその時の心境を「どでかい男の腕にマサチューセッツ州の形で郵便番号が入っている個性的なタトゥーが刻まれていて、“迫力のある男だな。ラスティ(用心棒)役にぴったりだ”と思った。デニスは刑務所に入り、出所し、一生懸命努力して人生を完全に変えた男。ラスティとしての威圧感はたっぷりだったけど、実際の彼は本当に心の温かい男だよ」と振り返った。
ピート・ポスルスウェイトは生前、ベン・アフレックを高く評価し、「ベンは俳優として培った経験を演出に反映させる力があり、俳優にとっては本当に理想的な監督だよ。彼の次の監督作にまた出演のチャンスがあれば、僕は絶対飛びつくよ」と絶賛していた。ベン・アフレックは「大事なのは本物であること。それが絶対観客に伝わると信じている。ボストンは人材が豊富だから、僕たちは恵まれていた」とエキストラとも相談しながら演出を考え、リアルを追求した本作はアカデミー賞候補作としても名乗りを上げている。【MovieWalker】