獰もうなワニとの死闘を描く『クロール ―凶暴領域―』や是枝監督作『真実』など週末観るならこの3本!

コラム

獰もうなワニとの死闘を描く『クロール ―凶暴領域―』や是枝監督作『真実』など週末観るならこの3本!

Movie Walkerスタッフが、週末に観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画。今回は、10月11日から今週末の公開作品をピックアップ。凶暴なワニと格闘するサバイバルスリラーや、是枝裕和監督が初めて国際共同製作で挑んだ力作、北欧の神秘的な森が舞台のダーク・ファンタジーなど、バラエティあふれる作品ばかり!

週末に観てほしい映像作品3本を、MovieWalkerに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!
週末に観てほしい映像作品3本を、MovieWalkerに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!

ワニが大量発生!ハリケーンも襲来!絶体絶命のスリルがたまらない『クロール ―凶暴領域―』(10月11日公開)

【写真を見る】ワニ軍団が自宅に侵入!?息つく暇もない展開に手に汗握る『クロール ―凶暴領域―』
【写真を見る】ワニ軍団が自宅に侵入!?息つく暇もない展開に手に汗握る『クロール ―凶暴領域―』[c]2019 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

クロールの水泳選手が、実家の床下でクロール(這い回る)するワニ軍団と対決!タイトルに込められたダブルミーニング込みで紹介するとコントみたいになってしまうのだが、本作は本気度100%のハイテンションで一気呵成に描かれるノンストップのサバイバルスリラー。しかも難物はワニだけじゃない。巨大ハリケーンが迫っていて実家は水没寸前だし、なぜかお父さんは大怪我して気絶しているしで、一刻の猶予もないのだ。監督が超ふざけたホラーコメディ『ピラニア3D』(10)のアレクサンドル・アジャと知ったら、そんなの信じられないと思うかも知れませんが、どこまでもソリッドに、余計なものをそぎ落とした恐怖!戦慄!パニック!のオンパレード。もはやカッコいいです!(映画ライター・村山章)

大女優一家の“家族の形”を世界が認める名優たちが体現『真実』(10月11日公開)

カトリーヌ・ドヌーヴ&ジュリエット・ビノシュ&イーサン・ホーク…是枝組のキャストが豪華すぎる!(『真実』)
カトリーヌ・ドヌーヴ&ジュリエット・ビノシュ&イーサン・ホーク…是枝組のキャストが豪華すぎる!(『真実』)[c]2019 3B-分福-MI MOVIES-FRANCE 3 CINEMA

カトリーヌ・ドヌーヴとジュリエット・ビノシュ。世界的大女優二人が母と娘を演じているから身構えてしまうが、是枝裕和監督が初めて日本以外の国で海外のスタッフやキャストと作り上げた日仏合作映画『真実』は、紛れもなく『誰も知らない』(04)から『万引き家族』(18)まで、様々な“家族”を見つめてきた同監督の作品群の延長線上にあるものだ。とはいえ、是枝監督がドヌーヴとビノシュから聞いたエピソードも盛り込まれた本作は、一般の家庭とは違う、大女優の母を持つ“家族”ならではの風景を生々しく映し出すから興味深いしおもしろい。しかも、事実とは違うエピソードをつづった自伝本を出す傲慢な大女優=母をドヌーヴが演じているから説得力があって、彼女がその才能を認めないテレビ俳優の娘婿に扮したイーサン・ホークのハマり具合なども絶妙。母と娘をめぐる“真実”が次第に浮かび上がる展開も、ひりひりするエモーションを炙り出すからどんどん前のめりになる。だが同時に、是枝監督がこれまでの作品とも共通する“家族”ならではの葛藤や衝突、愛憎も見え隠れするので、『歩いても 歩いても』(07)や『海よりもまだ深く』(16)、それこそ『海街diary』(15)まで想起してしまう。(映画ライター・イソガイマサト)

価値観を揺さぶるテーマの連続に目が離せない…『ボーダー 二つの世界』(10月11日公開)

ヒロイン・ティーナとヴォーレが出会い、行き着く先とは…(『ボーダー 二つの世界』)
ヒロイン・ティーナとヴォーレが出会い、行き着く先とは…(『ボーダー 二つの世界』)[c] Meta_Spark&Kärnfilm_AB_2018

鼻をヒクヒクさせ、税関で“違法物”の匂いを嗅ぎ分ける臭覚の鋭いヒロインのティーナは、異形に近いほど美しいとは言い難い。そんな彼女が、こちらも異形に近い男・ヴォーレに“何か”を嗅ぎつけて呼び止めるが――。

全く予想外の展開が連続するダーク・ファンタジー。神秘的な森で繰り広げられる2人の物語は、“こんなの初めて…”な愛の交歓シーンも含め、人間の傲慢や罪、美醜、人生の選択、そして愛など、いろんなテーマや問題をはらんで一瞬たりとも目を逸らさせない。イラン出身のアリ・アッバシが、誰よりも北欧の魅力を理解しているような、その語り口、世界観に魅せられる。原作は『ぼくのエリ 200歳の少女』(08)のヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストの短編小説。(映画ライター・折田千鶴子)



週末に映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて!

文/トライワークス

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