総勢8名の回答をイッキ見!映画ライターが選ぶ、2019年のベスト映画は?
バランスを取りながら誰もが生きている、そんな断面が見えてくる(有馬楽)
1.『ジョーカー』(19)
2.『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(19)
3.『運び屋』(18)
やりたいことをやり続けるのが困難な時代。まず生活をしなければいけないし、生きるにはお金も要る。とはいえ、プライドもあるのでお金のために何でもやろうとは思わない。バランスをそれぞれに取りながら誰もが生きているワケだが、そんな断面が見えてくるという意味で、心に迫ってきた2019年の3本。スクリーンに映るものだけでなく、映っていない世の中までも見えてくる『ジョーカー』は今年の奇跡。一見ダメ男だが、やりたいこと、やらねばならないことの分別をわきまえていた2、3位の主人公にも感謝!
年間興収ランキングを踏まえ、あえての私的コメディベスト3!(ほそいちえ)
1.『ダンスウィズミー』(19)
2.『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』(19)
3.『翔んで埼玉』(19)
2019年国内興収ランキングにはファンタジーやアクション、史実ものなど多彩なジャンルが入っているけれど、なぜか少ないコメディ作品。そこで、あえての私的コメディベスト3です。1位は、音楽が聞こえると歌い踊りだす催眠術をかけられたOLのお話。徹底した娯楽作なのに「あ…これがタイトルの意味!?」と思わせるラストにうっかり感動。2位は、フランス人監督の原作愛があふれる逆輸入ムービー。キャストの激似ぶりはもちろん、全編に散りばめられた昭和風ギャグ×クールなバトルが完全にCH(シティーハンター)!3位は、力のある大人たちが本気で遊んだ究極のエンタメ作品。声も表情も完璧に魔夜峰央ワールドの住人と化していた二階堂ふみさんに拍手を贈りたい。
マチズモ的な価値観への違和感でジャンル映画に新しい光を当てた(村山章)
1.『ガルヴェストン』(18)
2.『足跡はかき消して』(18:Amazon Prime Videoほかにて配信)
3.『クロール ―凶暴領域―』(19)
フランス女優のメラニー・ロランがアメリカでハードボイルド小説を映画化した『ガルヴェストン』。一瞬ミスマッチにも思うが、原作を基調にしつつも、マチズモ的な価値観への違和感をにじませてジャンル映画に新しい光を当てた。主演のベン・フォスター&エル・ファニングもすばらしい。『足跡はかき消して』は昨年末の『ザ・ライダー』に続いてソニーが配信のみでリリースしたデブラ・グラニック監督の最新作。本作で注目された新星トーマサイン・マッケンジーは話題の『ジョジョ・ラビット』(19)等でブレイク中。『クロール ―凶暴領域―』は「実家の床下にワニが!」というパニックホラーで、とにかくアレクサンドル・アジャ監督のソリッドな演出が冴えわたる。あとランク外ですが旧時代の「青春映画」の概念を完全に葬った『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』(18)は今年一番の衝撃でした。
映画人が選ぶ、ベスト映画2019もあわせてチェック!
■『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
4K ULTRA HD&Blu-rayセット【初回生産限定】
2020年1月10日(金)発売
価格:6,800円+税
発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
■『アベンジャーズ/エンドゲーム』
4K UHD MovieNEXプレミアムBOX(数量限定)
発売中
価格:10,000円+税
発売・販売元:ウォルト・ディズニー・ジャパン
■『クロール ―凶暴領域―』
Blu-ray+DVD
2020年2月5日(水)発売
価格:3,990円+税
発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント