はっきりしたもの言いの満島ひかりにホラー映画監督も真っ青!?
『呪怨』の清水崇監督が、国際的に活躍するカメラマン、クリストファー・ドイルとタッグを組み、新たな超立体的ホラー3D映像に挑んだ『ラビット・ホラー3D』(9月17日公開)が完成。主演を務めた満島ひかり、子役の澁谷武尊が清水監督と共に完成披露試写会に登場し、舞台挨拶を行った。
本作でホラー映画デビューを飾った満島ひかりは、実はホラーが大の苦手。満島は「この映画は、『幽霊が出てきて怖い!』というよりも、夢を見ているような感覚になる作品です。時空が行ったり来たりするので、撮影も難しかったですが、とても好きな作品です」と作品の魅力をアピール。オーディションで出演が決まった澁谷武尊は、マイクを持つと緊張した様子で、「満島さんとの共演は、最初は話すこともままならなかったけど、撮影が進むうちに満島さんの昔の話とかを聞いて、とても楽しく過ごせました」と、はにかみながら子供らしい表情を見せ、会場を和ませた。
清水監督は、キャスティングについて「ホラーのイメージがあまりない俳優さんにお願いすることに決めている」という。「満島さんが、いくらホラーが苦手だからといって、“『呪怨』なんて見る人の気持ちがわからない!”なんて僕にいつも言ってくるので、“どういうつもりで言ってるんだろう?”と思いました(笑)。でも、そのはっきりしたもの言いは大したものだなと思ったし、ほかの若い女優さんではあまりいないタイプなので面白いと思いました」と、監督から見た満島の女優としての魅力を語った。
また、舞台挨拶後半には、『呪怨』での衝撃的な存在感でホラーシンボルとして一時代を築いた俊雄が、『ラビット・ホラー』のウサギと共に登場。俊雄からウサギに花束が贈られ、新たなホラーキャラクターにバトンタッチを行った。清水監督は「白いねー。この映画も、俊雄くんが出てくれた『呪怨』のような代表作になってほしい」とコメント。一方、全身白塗りの俊雄を前にした満島は、「こんなに怖いのが出てくる映画なんて見られない」と俊雄を見つめていた。
最後に満島は、「現場で臨機応変に撮影して、ストーリーが動いた作品で、新たな挑戦をした作品です」と撮影秘話を暴露し、監督は「3Dであることや、ホラー映画であることから、抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、窮屈な家族ドラマを念頭に、ドラマの部分にも力を入れたので、ホラーということにとらわれずにいろんな人に見てもらいたいです」と、作品が単なるホラーではないことを力強く訴えた。
ウサギ年の今年は、本作をはじめ、『イースターラビットのキャンディ工場』(8月19日公開)や『うさぎドロップ』(8月20日公開)など、ウサギに絡んだ作品が相次いで公開される。なかでも、この映画で登場するウサギは、その可愛い外見とは真逆の恐怖の存在。ウサギが見る者を引き込んでいく恐怖の世界は必見だ。ホラーだけでない本作の公開を心待ちにしてほしい。【取材・文/鈴木菜保美】