鬼才デヴィッド・リンチ監督の発想の源とは?
『イレイザーヘッド』(76)、『エレファント・マン』(80)、『ワイルド・アット・ハート』(90)、『マルホランド・ドライブ』(01)、テレビシリーズ「ツイン・ピークス」などでカリスマ的な人気を誇るデヴィッド・リンチ監督。その夢魔的なイメージ、ミステリアスな映像でファンを魅了する監督が初の著書を出版し、その日本語版が現在発売中だ。
著書「大きな魚をつかまえよう リンチ流アート・ライフ∞瞑想レッスン」は、いわゆる作品解説や批評ではなく、作品の数々がどのように発想されたのかを自ら解説している。その発想の源となっているのが、自身が長年実践している瞑想だというのだから興味深い。TMと呼ばれる瞑想法、超越瞑想プログラムは、リンチのほか、クリント・イーストウッドやポール・マッカートニーも実践しているそうで、本書にも彼らのコメントが寄せられている。
瞑想について語られてはいるものの、いかがわしいスピリチュアルな内容ではなく、瞑想をすることによってストレスが解消されたり、映画製作においてアイデアがわいてきたりということを、映画作りの体験を合わせて綴っている。だからといって、読みにくいということはなく、ユーモアを交え、テンポよく語られる文体も心地良い。
この著書を読んでから、改めて作品を見てみると、また新たな発見があるかもしれない。【トライワークス】
作品情報へ