男女逆転『大奥』の尾野真千子、本気で菅野美穂の首を絞めていた!?
よしながふみの人気コミック「大奥」の映画化第2弾『大奥 永遠 右衛門佐・綱吉篇』(公開中)で、菅野美穂演じる五代将軍の綱吉の腹心、柳沢吉保に扮した尾野真千子。綱吉の寵愛を独占するためには手段を選ばない抜け目のない女性を華麗に演じた尾野が、綱吉=菅野美穂への思いを語った。
「綱吉様に対する思いを強く出していこうと心がけて撮影に臨んでいましたね。柳沢吉保は、筋が一本通っている女性なのですが、綱吉様を演じる菅野さんの色々な表情につい見とれてしまって。女として綱吉様を愛していましたから、最後のお別れのシーンは大変でした」。
吉保は綱吉の危篤時に、彼女の首に自らの手をかけるのだが、そのシーンを撮影する際の、金子文紀監督の「本当に絞めるように」という指示には、本当に驚いたそう。「私たち役者は、お芝居をしているので真似事をしてなんぼなんです。でも、首を絞めるという行為は“人を殺す”ということですから、お芝居の中とはいえ本当にするというのは怖かったです。やってはいけないことをしている感じがあって。演じているうちに吉保として、綱吉様への愛しさや悔しさなど、色々な感情が出てきて、手に力がだんだんこもっていって、辛くて怖くかったです。でも、吉保でいなければいけないという気持ちもあったので。お芝居じゃなく、本当に手が震えてしまって、自分でもショックを受けましたね」。
また、右衛門佐を演じた堺雅人の印象も語ってくれた。「堺さんとは1シーンしかご一緒できなかったのが悔しくて。もっとあのお顔と演技したかったんですよ。堺さんといえば、あのお顔じゃないですか。何を考えているかさっぱりわからない、それが怖くてちょっと苦手でもあったんですが、そのお顔を壊すのが楽しかったりするので、もっと一緒にお芝居したかったですね」。
あえて原作を読まず、ナチュラルに吉保という女性を演じたという尾野真千子。原作の吉保のイメージとつながる部分がありながら、尾野ならではの吉保像も感じさせている。そのギャップを楽しむのはもちろん、険しさや優しさなど次々に変わる彼女の表情にも注視してもらいたい。【トライワークス】