深津絵里と浅野忠信、カンヌのレッドカーペット前に居眠り
第68回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」で、日本人初の監督賞に輝いた黒沢清監督作『岸辺の旅』(10月1日公開)の凱旋試写会が、9月10日にスペースFS汐留で開催。深津絵里、浅野忠信、黒沢監督が舞台挨拶に登壇した。お披露目された賞状を初めて目にした深津は「やっと喜びを分かち合えるのでとってもうれしいです」と笑顔を見せた。
深津たちから「おめでとうございます」と祝福された黒沢監督は「監督賞ってのも変な話で。総合力で、スタッフも含めた全体に与えられた賞だということは、最初にわかっていました。こちらこそありがとうございました」と感謝して頭を下げた。
その後、カンヌ映画祭でのエピソードについてクロストーク。浅野は「上映後だけではなく、劇場を出た後も囲まれて拍手をしてもらった。僕は経験したことがなかったし、本当に気に入ってもらったんだなと思いました」とうれしそうに話した。
カンヌ初参加の深津の口からは、意外なエピソードが。「レッドカーペットが渋滞していて、待たされて。時差ボケでいちばん眠い感じだったので、浅野さんと2人とも15分、うとうと寝てしまったのが、自分のなかでも意外なことでした」。
黒沢監督は「寝てたんですか?それはすごい。僕は緊張して待っていましたが」と笑う。また「深津さんは、エレガントな衣装で高いハイヒールを履いていたんですが、取材が立てこんだ時、ぱっとハイヒールを脱いで、裸足で走っていったのを目撃しました」という、深津のおちゃめなエピソードも披露し、会場の笑いを取った。
『岸辺の旅』は、原作は湯本香樹実の同名小説で、夫婦の愛を描く切ないラブストーリー。深津演じるヒロイン瑞希が、3年失踪した後、突然帰宅した夫(浅野忠信)と共に旅をして、愛を深めていく。【取材・文/山崎伸子】