映画ランキング - 国内映画
(2024/3/22~2024/3/24)
2024年3月25日
発表(毎週火曜更新)
2024年3月22日~2024年3月24日に日本国内で上映された映画の観客動員数ランキングはこちら。『変な家』『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』などがランクイン!(興行通信社調べ)
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NEW
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3月22日から3月24日までの全国映画動員ランキングが発表。前週、絶好調が続いているアニメ2作品を打ち破って見事に初登場1位を飾った『変な家』(公開中)が、春休み本番に入りさらに勢いを加速。2週連続でNo. 1の座に立った。
謎のクリエイター、雨穴が発表した同名書籍を間宮祥太朗と佐藤二朗のダブル主演で映画化した『変な家』。公開2週目を迎えた週末3日間の成績は、観客動員が39万9000人、興行収入が5億1900万円。前週末と比較すると動員が116%、興収が109%と上昇傾向。累計成績では動員119万人、興収15億円を突破している。
初週末の成績から導きだされる1人あたりの平均入場料金は1378円だったのに対し、この2週目末のそれは1301円。ファーストデイなどのサービスデイと重なっていないことを考えると、初週末よりも入場料金が安価な客層、すなわち中高生以下の動員が増えているということが数字の面で推測できる。実際に映画館に行ってみれば、中高生のグループが数多く見受けられた。春休みが始まり、口コミ等で作品の話題を目の当たりにした中高生たちが劇場に足を運んだことが成績アップにつながっているのだろう。
昨年11月に発表された「LINEリサーチ」の調査では、「1か月に1回以上劇場で映画を観る」と回答した人の割合が、全世代では7%だったのに対し、10代に限ると9%。「2〜3か月に1回」が17%、「4か月〜半年に1回」が33%おり、20代と並び劇場鑑賞の習慣が活発であることが窺える。また同調査では「一緒に行く人は?」という質問もなされ、10代の3分の2以上が「友人」と回答。20代の49.6%を大きく上回る突出した数字を叩きだしているのが10代の劇場鑑賞の大きな特徴ともいえる。
つい最近も『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(公開中)が中高生から圧倒的な支持を集め、事前の予測を大きく上回る興収40億円を突破する大ヒットを記録したことは記憶に新しい。若年層が流行を作りだすのは昔もいまも変わらず、それは当然映画業界においても例外ではない。タイミング的にもジャンル的にも大勢で盛り上がれる『変な家』のようなタイプの作品がヒットするのはもはや必然だったのかもしれない。
今後の実写邦画界では、おそらく中高生たちに照準を絞った作品が主に長期休暇のタイミングを目掛けて続々と作られていく可能性が高い。しかしながら、子ども相手だと見くびった作品を量産してはせっかくの新たな潮流を止めてしまいかねないし、きちんと若年層に届いて刺さる作品でなくてはならない。“予想外の大ヒット”を予想通りに変えるのは作り手である大人たちの役割であり、その感性が試されることになる。
さて、『変な家』のヒットに押され気味の“2強”『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』(公開中)と『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』(公開中)は、前週と順位が入れ替わる結果に。
公開6週目を迎えた『劇場版ハイキュー!!』は、この週末から入場者プレゼント第3弾「烏野×音駒 メモリアルブック」の配布をスタート。その効果もあり、週末3日間で動員35万4000人、興収5億3100万円と、前週を大きく上回る数字を記録。興収だけの比較では『変な家』を上回ることにも成功している。これで累計成績では動員550万人、興収79億円を突破。日本歴代興収ランキングの85位まで浮上したようだ。
一方、例年春休みに調子が上がる傾向にある「映画ドラえもん」。『のび太の地球交響楽』の公開4週目末の3日間の成績は動員26万7000人、興収3億2700万円と、『劇場版ハイキュー!!』に水を開けられてしまったものの、前週と比較すれば動員・興収ともに93%の数字をキープしている。累計成績では動員199万人と大台も目前。累計興収は24億円に到達している。
また今週は2本の新作が初登場。4位にランクインしたのは、川村元気による同名恋愛小説を映画化した『四月になれば彼女は』(公開中)。米津玄師の「Lemon」などのミュージックビデオを手掛けた山田智和監督が長編映画に初挑戦し、佐藤健と長澤まさみ、森七菜が共演。初日から3日間で動員16万4000人、興収2億2900万円と、まずまずのスタートを飾った。
そして7位には「ソラニン」や「おやすみプンプン」で知られる浅野いにおの人気コミックをアニメーション映画化した2部作の前編『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』(公開中)が初登場。YOASOBIのikuraとしても活動する幾田りらと、あのが主人公の少女たちの声を担当したことでも話題を集めている同作。『後章』の公開は当初の予定から1ヶ月後ろ倒しの5月24日(金)に。それまで息の長い興行を続けることができるか注目しておきたい。
以下は、1~10位までのランキング(3月22日〜3月24日)
1位『変な家』
2位『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』
3位『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』
4位『四月になれば彼女は』
5位『ゴジラ-1.0』
6位『デューン 砂の惑星PART2』
7位『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』
8位『恋わずらいのエリー』
9位『FLY!/フライ!』
10位『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』
今週末は「ゴーストバスターズ」シリーズの最新作『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』(3月29日公開)、第96回アカデミー賞で作品賞など7部門に輝いたクリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』(3月29日公開)などが控えている。
文/久保田 和馬
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