映画ランキング - 国内映画
(2024/5/17~2024/5/19)
2024年5月20日
発表(毎週火曜更新)
2024年5月17日~2024年5月19日に日本国内で上映された映画の観客動員数ランキングはこちら。『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』『猿の惑星/キングダム』などがランクイン!(興行通信社調べ)
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5月17日から5月19日までの全国映画動員ランキングが発表。5月後半に入っても勢いが衰えない『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』(公開中)が今週も首位をキープし、6週連続No. 1を達成。これで累計成績は動員943万人、興収135億3000万円に到達し、前作『名探偵コナン 黒鉄の魚影』(23)が打ち立てたシリーズ最高興収138億8000万円まであとわずかまで迫ってきた。
この週末3日間の『100万ドルの五稜星』の成績は、動員27万8000人、興収4億800万円。ゴールデンウィーク後半のブーストから大幅な下落に見舞われた前週と比較すると、動員・興収共に76%の数字をキープ。『黒鉄の魚影』は6週目末から上映終了までに動員では約150万人、興収では約20億円をほど積み上げている。それに倣えば今作は、以前からの見立て通り155億円前後の興収に落ち着くことだろう。現時点で日本歴代興収ランキングでは22位。15位以内には確実に上がってくるはずだ。
「名探偵コナン」シリーズも然り、いまや日本の映画興行における国産アニメ映画の強さはあらためて語るまでもないほど盤石なもの。今週の上位10作品のうち半分の5作品が国産アニメ映画であるが、それ自体は近年の動員ランキングでは珍しいことではない。しかしその5作品のうち3作品は、公開からすでに3ヵ月以上が経過しており、それぞれ異なる理由で前週からランクを急上昇させている。
まずは公開14週目を迎え、前週の9位から一気に2位まで上がってきた『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』(公開中)。この週末3日間の成績は動員14万1000人、興収2億1300万円と、ここにきて春休み最終週の週末とほぼ同じだけの数字を叩きだしている。その後押しとなったのは、“最後の入場者プレゼント”として5月18日から配布された「ハイキュー!!33.5巻 もう一回!」小冊子だろう。
第1弾入場者プレゼントとして配布された小冊子のカバー違いであり、カバー以外の内容に変更がないにもかかわらず、熱心なファンを多数劇場に呼び戻すことに成功したのはとても興味深い。その効果もあって累計成績では動員746万人、興収106億9000万円を突破。こちらも歴代興収ランキングで41位まで順位を上げており、月末に控えた北米公開にも弾みが付きそうだ。
また4週ぶりにトップテン圏内に返り咲き、8位となったのは『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』(公開中)は公開17週目。いよいよ全国規模での上映が5月23日(木)をもって終了となることにあわせ、この週末にはフィナーレ舞台挨拶とその全国生中継が実施され、最後にひと伸びを見せた格好に。5月18日の時点で、動員は280万人、興収は47億円を突破したとのこと。
そして10位には、『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』(公開中)が公開から1年が経つことを記念して“1周年ウィーク”を開催し、“千秋楽ウィーク”だった昨年9月以来のトップテン入り。入場者プレゼントやアフタートーク付き上映などの企画に加え、6月8日(土)と6月9日(日)には1周年記念スペシャル上映会の開催も決定。累計成績では動員170万人、興収30億円を突破し、再び盛り上がりを見せつつある。
いずれも熱狂的なファンに支えられ、何度も劇場へ足を運んでもらうためのリピーター戦略に力を入れた結果がこうして“大ヒット”という数字となってあらわれているといえよう。浅く広くの支持を集めるよりも、熱狂的な層に深く届け、それが徐々に広まることで大ヒットへとつながる。こうした主に国産アニメ作品で見受けられる戦略は現時点では間違いなく正解である一方、今後もこれが正解であり続けるためには、まだたくさんの課題が残されているだろう。
さて、今週は3本の新作が上位にランクインを果たした。そのなかで最上位の4位となったのは、「孤狼の血」シリーズの白石和彌監督が草なぎ剛を主演に迎えた時代劇『碁盤斬り』(公開中)。加藤正人の小説「碁盤斬り 柳田格之進異聞」を原作に、貧乏長屋で暮らす父と娘が誇りをかけた闘いに挑む様が描かれていく。
また5位には、ジャマイカの伝説的アーティストであるボブ・マーリーの生涯を描いた『ボブ・マーリー:ONE LOVE』(公開中)が初登場。『ドリームプラン』(21)のレイナルド・マーカス・グリーン監督がメガホンをとり、キングズリー・ベン=アディルがボブ・マーリー役を熱演。母国ジャマイカで身の危険を感じロンドンへ逃れたマーリーが、後に“20世紀最高の音楽アルバム”に選ばれる「エクソダス」の制作に勤しみながら世界的スターの階段をのぼっていく姿が描かれる。
クイーンのフレディ・マーキュリーを描いた『ボヘミアン・ラプソディ』(18)の大ヒットを皮切りに、エルトン・ジョンを描いた『ロケットマン』(19)やエルヴィス・プレスリーを描いた『エルヴィス』(22)など、近年相次いでいる有名アーティストの伝記映画。日本でも人気の高いボブ・マーリーの知られざる物語を描く本作は、マーリーの遺族が監修を務めるなど、まさにこのジャンルの決定版。1970年代後半のジャマイカの政治的な分断を描く側面もあり、音楽ファン以外からも支持を集めているようだ。
そして7位に初登場を果たしたのは、『ヒメアノ〜ル』(16)など生々しい人間描写に定評のある吉田恵輔監督の最新作で、石原さとみが自ら吉田監督に出演を直談判したことでタッグが実現したという『ミッシング』(公開中)。失踪した幼い娘を捜し続ける母親が、夫婦間の温度差やマスコミの報道、SNSでの誹謗中傷によって心を失くしていく姿が描かれていくシリアスなヒューマンドラマ。鬼気迫る演技で新境地を開拓した石原に絶賛の声があがっている。
既存の作品では、前週2位に初登場を果たした『猿の惑星/キングダム』(公開中)が週末3日間で動員9万3000人、興収1億3800万円を記録し3位にランクイン。累計成績は動員38万6000人、興収5億6200万円となっている。
以下は、1~10位までのランキング(5月17日〜5月19日)
1位『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』
2位『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』
3位『猿の惑星/キングダム』
4位『碁盤斬り』
5位『ボブ・マーリー:ONE LOVE』
6位『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』
7位『ミッシング』
8位『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』
9位『ゴジラxコング 新たなる帝国』
10位『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』
今週末は舘ひろし&柴田恭兵の代名詞と言える「あぶない刑事」シリーズ8年ぶりの劇場版『帰ってきた あぶない刑事』(5月24日公開)、メディアミックスコンテンツ「ウマ娘 プリティダービー」初の映画作品となる『劇場版ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』(5月24日公開)、浅野いにおの人気漫画のアニメーション映画化2部作の後章『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章』(5月24日公開)などが控えている。
文/久保田 和馬
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