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作品賞
Best Picture

『グリーンブック』

(北米配給：フォーカス・フィーチャーズ)
実話を基に黒人ジャズピアニストと彼が雇った白人運転手の旅路を描くヒューマンドラマ。オスカーへの最初の切符となるトロント国際映画祭観客賞を受賞し、第76回ゴールデン・グローブ賞、アメリカ製作者組合賞をも駆け抜けた実話ベースの作品。本来であれば受賞最有力となるところだが、ピーター・ファレリー監督のかつてのセクハラ疑惑が浮上し監督賞候補落ち。今年の鍵を握る1本。
『ブラックパンサー』

(北米配給：ディズニー)
『シビル・ウォー／キャプテン・アメリカ』にも登場した漆黒のスーツに身を包んだヒーロー、ブラックパンサーの活躍を描くアクション。北米歴代3位となる記録的な興行収入を叩き出し、マーベル映画がアカデミー賞作品賞の舞台に初参戦。ファンの期待を背負い、悲願達成をねらう。技術部門を中心に7部門で候補入り。ディズニー実写作品の作品賞候補入りは『メリー・ポピンズ』(64)以来55年ぶりのこと。
『ブラック・クランズマン』

(北米配給：フォーカス・フィーチャーズ)
15年にアカデミー名誉賞を受賞するも“ホワイト・オスカー”論争を巻き起こし授賞式出席を拒否したスパイク・リー監督が、過激な白人至上主義団体に潜入捜査した黒人刑事の実話を映画化。第71回カンヌ国際映画祭でグランプリを獲得。夏公開(本国)という不利を退け、主要部門でしっかりとノミネートを獲得。
『ボヘミアン・ラプソディ』

(北米配給：20世紀フォックス)
伝説的ロックバンド「クイーン」のボーカル、フレディ・マーキュリーの伝記映画。幾多の製作トラブルを乗り越え興行的成功を収めるも批評は賛否両論。しかし第76回ゴールデン・グローブ賞で作品賞＜ドラマ部門＞を奇跡の逆転受賞。勢いそのままに主演男優賞や編集賞など5部門にノミネート。
『女王陛下のお気に入り』

(北米配給：FOXサーチライト・ピクチャーズ)
18世紀初頭のイングランドを舞台に宮廷の女たちのバトルをオリヴィア・コールマン主演で描く。第75回ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞と最優秀女優賞の2冠を達成し、演技部門・美術部門を中心に前哨戦を席巻。9部門10ノミネートの大量候補入りに加え、監督賞候補入りで大きなインパクト。1作品から3人の女優がアカデミー賞候補になるのはエマ・ストーン主演の『ヘルプ心がつなぐストーリー』(11)以来。
『ROMA/ローマ』

(北米配給：Netflix)
メキシコの首都の北側にあるローマ地区を舞台に、若いメイドの視点から中流家庭の1年を描くアルフォンソ・キュアロン監督の自伝的作品。第75回ヴェネチアで金獅子賞、第76回ゴールデン・グローブ賞で監督賞と外国語映画賞を獲得。史上5作品目の同一年作品賞＆外国語映画賞ノミネートで最多10部門候補に。英語を主言語としない作品賞候補作は『愛、アムール』(12)以来。受賞すれば史上初になる。
『アリー/ スター誕生』

(北米配給：ワーナー・ブラザース)
俳優ブラッドリー・クーパーが初めてメガホンをとり、レディー・ガガが映画初主演。歌の才能を見出された女性がスターへの道を歩む往年の名作を再映画化。第75回ヴェネチア国際映画祭でお披露目され、映画初主演を務めたレディー・ガガの演技に高評価が集中。主演男優賞や主演女優賞、歌曲賞を含む8部門にノミネート。歌曲賞は受賞確実との声も。
『バイス』

(北米配給：アンナプルナ)
アメリカ史上最も権力を持った副大統領をクリスチャン・ベールが演じる社会派ドラマ。『マネー・ショート華麗なる大逆転』(15)のチームが再集結し、豪華キャストと共にアメリカ政治に斬り込む。早いうちから有力作と期待されていた作品で、年末ギリギリの公開でありながらも主要部門すべてで候補入りを果たし8部門でノミネート。まさに今年の台風の目と呼べる存在。