村上虹郎、免許更新のすべらない話を披露。『ソワレ』舞台挨拶が開催
豊原功補、小泉今日子らによる「新世界合同会社」第1回プロデュース作品『ソワレ』の公開記念舞台挨拶が、8月29日にテアトル新宿で開催され、W主演を務めた村上虹郎と芋生悠、外山文治監督が登壇。新型コロナウィルス感染予防対策でアクリル板によって仕切られながらも、初めて観客を入れた舞台挨拶となったので、村上は「“ようやっと”ですね」と笑顔を見せた。
本作は、『燦燦 さんさん』(13)の新鋭監督、外山文治が、和歌山を舞台にしたオリジナル脚本で挑んだ長編映画。俳優を目指すも芽が出ない若松翔太(村上)が、演劇を教えるために訪れた高齢者施設で、山下タカラ(芋生)と出会う。その後、ある事件をきっかけに、2人が逃避行をすることに。
外山監督は「この半年間、公開できるのだろうかと心配してました。アソシエイトプロデューサーの小泉(今日子)さんにも、そわそわしながら『大丈夫ですか?』と聞いたことがあります。その時は『大丈夫、大丈夫』と言われましたが、公開されて本当に良かったです」と胸をなでおろした。
映画にちなみ「最近、希望を感じた瞬間は?」というお題を尋ねられた村上たち。村上は「つい4、5日くらい前の話です」と、自粛期間から昼夜逆転の生活となり、その日、夜から一緒にいた俳優の寛 一 郎と共に、寝不足のまま、自動車免許の更新をしに行った時の話を披露。
「寛 一 郎と『朝から行っちゃおうよ』という話になりましたが、僕は初回で、違反もあるんです。あ、ダメかな?」と切り出した村上に、外山監督が大慌てし、会場は爆笑。
村上は「調べると、(更新の手続きに)印鑑とか、ハガキとか、住民票とかいろいろ必要らしいんですが、その時、全然持ってなくて。寛 一 郎から『印鑑、いらなかったよ。大丈夫でしょ』と言われたので、お互いに眠かったけど行ったんです。僕、現金も持ってなくて、無鉄砲な感じで行ったら、意外と印鑑がいらなかった。その時、希望が見えました」とコメント。さらに、村上は「証明写真を撮らなくてはいけなくて…」と、免許更新の話題をさらに続けると、外山監督が「いま、舞台挨拶ですよ」と苦笑しながらツッコミを入れる。
村上は「写真を撮る際に、マスクを取って、振り向くじゃないですか。目の前の男性が、振り向いたら、高橋克実さんでした!」と言う意外なオチを口にすると、芋生や監督も目を丸くして驚いた。
続いて芋生は、同じお題について「なによりも、この映画が公開されるってことが私にとって、希望を感じた瞬間です。また、監督にようやくスタイリストさんがついたのがうれしいなと。今日は希望しか感じないです」と、普段は短パンにビーチサンダルだという監督の正装ぶりをツッコみつつ、感慨深い表情を見せた。
最後に、村上は「テアトル新宿は、僕が初めて、芸能人として舞台挨拶に立った場所です。最近、ミニシアターがいくつかなくなるよって話を耳にして、寂しいなと、僕ぐらいの芸歴でも感じる日々です。僕らも映画以外の仕事をしないと食べていけなかったりするんですが、またここに戻ってきて、胸を張ってしゃべれるような未来が続けばいいなと思っています」と力強く締めくくった。
取材・文/山崎伸子