スカヨハ、ミシェル・ロドリゲスの超絶スタントを務めたのは誰?プロフェッショナルな仕事を目撃せよ
デビー・エヴァンス&ドナ・エヴァンス
「ワイルド・スピード」の運転シーンでロドリゲスのスタントダブルを務めたのは、カースタントの名手であるデビー・エバンス。デビーとその妹ドナ・エヴァンスは、80年代から数多くの大作映画に携わり、いまやスタントウーマン界を牽引する姉妹スタントウーマン。
ドナがシャロン・ストーンのスタントダブルを演じた『トータル・リコール』(90)でのアーノルド・シュワルツェネッガーとの激しい格闘シーンについて、劇中では同作のメガホンをとったポール・ヴァーホーヴェン監督が登場し「シャロン・ストーンの代役は優秀だった」と絶賛。「普通の俳優には頼めない」と、スタントウーマンの必要性を熱弁しているほど。
また劇中にはほかにも、1970年代に放送されたテレビシリーズ「空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン」のジーニー・エッパーや、「地上最強の美女たち!チャーリーズ・エンジェル」や『大地震』(74)のジュリー・アン・ジョンソン、有色人種のスタントウーマンとしてキャリアを確立したジェイディ・デイヴィッドら一時代を築きあげたレジェンドたちが多数登場。当時の撮影現場の舞台裏のエピソードや、映画産業における地位向上のために奮闘してきたこと、大怪我や死の危険性も伴う命がけのスタントに挑む強い想いが語られていく。
そんなレジェンドたちの功績もあり、2000年代に入ってからアカデミー賞にスタント部門を新設するよう求める嘆願運動が行われ、スティーヴン・スピルバーグら多くの映画人がそれに賛同。これまでなかなか光が当たることのなかったスタントパフォーマーへの注目度は、近年急激に高まってきている。
ふだん観ている大作映画の裏側で奮闘するスタントウーマンたちの活躍ぶりとプロフェッショナルとしての強い想いは、アクション映画ファンはもちろん年齢も性別も問わず多くの人の心を打つことだろう。是非とも劇場のスクリーンでその姿を目撃し、スタントウーマンという存在を目に焼きつけてほしい。
文/久保田 和馬