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低予算ゆえの捻られたアイデアが光る!ブラムハウス・プロダクションズの意欲的なホラーたち

コラム

低予算ゆえの捻られたアイデアが光る!ブラムハウス・プロダクションズの意欲的なホラーたち

女子高生と殺人鬼が入れ替わる!『ザ・スイッチ』

そして公開中の『ザ・スイッチ』は、“入れ替わり”をホラーに持ち込んだ一作。入れ替わりといえば、『転校生』(82)や『君の名は。』(16)など数々の映画で扱われており、男女や親子、時には人間と猫など、ユニークな題材が描かれてきたが、本作では連続殺人鬼と女子高生が入れ替わることになる。

『ザ・スイッチ』は公開中
『ザ・スイッチ』は公開中[c] 2020 UNIVERSAL STUDIOS

内気な女子高生のミリーは、家では夫と死別した悲しみからアルコールに溺れる母と警察官の姉の板挟みに遭い、学校ではいじめのターゲットにされる憂鬱な日々を過ごしていた。そんなある日、アメフトの応援後に無人のグランドで連続殺人鬼ブッチャーと出くわし、短剣で刺されると、なぜか殺人鬼と体が入れ替わってしまう。ブッチャーの体となったミリーは、24時間というタイムリミットの中で、自らの体を取り戻そうと奮闘していく。

月が輝く夜に、怪しげな短剣で刺されてしまい…(『ザ・スイッチ』)
月が輝く夜に、怪しげな短剣で刺されてしまい…(『ザ・スイッチ』)[c] 2020 UNIVERSAL STUDIOS

中身が女子高生になっているブッチャーのいちいちかわいらしい仕草が笑えたり、逆に中身が殺人鬼になっているミリーにいじめっ子が容赦なく殺されていったりと、設定を活かした描写が満載。また、さすがはブラムハウスといえる、入れ替わりのアイデアが活かした一歩踏み込んだ人間ドラマが今作でも描かれている。


たとえば、これまで家族とうまく向き合うことができなかったミリーが、見た目が入れ替わったからこそ中身をさらけ出せるようになったり、「見た目ではなく中身が重要」というメッセージが込められていたりするのだ。もちろんホラー/コメディとしても最高だが、その根底には真摯なテーマがしっかりとあり、バカなふりをした、めちゃめちゃちゃんとした映画なのだ。

なんとか自らの体を取り戻そうと、ミリーは奮闘する(『ザ・スイッチ』)
なんとか自らの体を取り戻そうと、ミリーは奮闘する(『ザ・スイッチ』)[c] 2020 UNIVERSAL STUDIOS

アイデア先行の出オチ的な作品になりかねないところに、しっかりとしたドラマを込め、強度のある作品に仕上げているブラムハウス・プロダクションズ。低予算だからと言って決して侮れない良作の数々を、ぜひチェックしてみてほしい!

文/サンクレイオ翼

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