【今週の☆☆☆】感動のグランドフィナーレ『るろうに剣心 最終章』、シリーズ史上究極のバトルに興奮の『賭ケグルイ』など週末観るならこの3本!

コラム

【今週の☆☆☆】感動のグランドフィナーレ『るろうに剣心 最終章』、シリーズ史上究極のバトルに興奮の『賭ケグルイ』など週末観るならこの3本!

週末に観てほしい映像作品3本を、MOVIE WALKER PRESSに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!
週末に観てほしい映像作品3本を、MOVIE WALKER PRESSに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!

MOVIE WALKER PRESSスタッフが、週末に観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画。今週は、アクション、ドラマ、キャスト、映像すべてが最高潮を極めた大ヒットシリーズの完結作、浜辺美波主演の人気シリーズ劇場版続編、信念に生きる香港トップスターの姿を見つめるドキュメンタリーの、3本!

すべての謎を解き明かす、繊細な芝居と美しくも禁欲的な映像…『るろうに剣心 最終章 The Beginning』(公開中)

【写真を見る】残酷な運命を背負った剣心の妻・巴を、有村架純が圧倒的な存在感で魅せる(『るろうに剣心 最終章 The Beginning』)
【写真を見る】残酷な運命を背負った剣心の妻・巴を、有村架純が圧倒的な存在感で魅せる(『るろうに剣心 最終章 The Beginning』)[c]和月伸宏/集英社 [c]2020映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」製作委員会

主演の佐藤健と大友啓史監督が映画化を熱望した物語―1作目よりも前…時代を幕末の京都まで遡ってその願いを現実のものにした本作では、これまで描かれることのなかった、誰も見たことない“人斬り”時代の緋村剣心を目撃することになる。冒頭からいきなり、驚くべきスピードで大勢の侍たちを容赦なく血祭にあげる剣心。このシークエンスだけで彼の圧倒的な強さと剣豪ぶりを印象づけるが、同時に初めて見る修羅のような形相と狂気が目に焼きついてしまう。そんな剣心がなぜ不殺を誓い、相手を斬れない逆刃刀を持つようになったのか? そして彼の頬に刻まれた消えない十字傷に隠された秘密とは?その真相に迫る本作は過去のどのエピソードとも趣が違って静謐でありながら、最もドラマチックでエモーショナル。剣心が有村架純の演じた巴を心から愛するようになったのはいつなのか? ある目的のために剣心に近づいた巴が彼と恋におちたのは何がきっかけだったのか? そして、巴はなぜ剣心の刃で散らねばならなかったのか? そのすべての謎が佐藤と有村の繊細な芝居と表情、計算され尽くした美しくも禁欲的な映像によって解き明かされる。その細部までチェックしたい人はIMAXで観ることをオススメしたい。佐藤と有村の瞳の些細な変化が、鍵を握るそのときどきの“瞬間”を明確に伝えているから。(映画ライター・イソガイマサト)

これまで以上に究極の頭脳戦、興奮がマックスに!…『映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』(公開中)

浜辺美波が最狂のギャンブラー・蛇喰夢子をクールに快演する、大ヒットシリーズの劇場版第2弾『賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』。本作は原作者・河本ほむらも監修で参加した映画のオリジナルストーリーで、夢子が、仲間を救うために、あの“ジョーカー”を想起させる最凶のヴィラン(悪役=視鬼神真玄と賭け狂うクライマックスの「指名ロシアンルーレット」が最大の見どころだ。視鬼神に扮した藤井流星(ジャニーズWEST)の、おぞましい表情や動きにまずはドキドキ。これまで高みの見物をしていた私立百花王学園の生徒会長・桃喰綺羅莉(池田エライザ)も初めて本格的に参戦し、夢子と視鬼神と三つ巴のバトルを繰り広げるのだから、たまらない。誰がいつどんなブラフ(ハッタリ)や罠を仕掛け、誰が誰を落とし入れ、最後に笑うのは誰なのか⁉ 3人の視線が複雑に交錯する究極の頭脳戦がこれまで以上にスリリングで、興奮がマックスに! 夢子が初めて見せる表情、クライマックスの長ゼリフのシーンにも目が釘づけになる。(映画ライター・イソガイマサト)


デニスの勇気ある言動に激しく心を揺さぶられる…『デニス・ホー ビカミング・ザ・ソング』(公開中)

歌手として、民主活動家として闘い続けるその姿に圧倒される(『デニス・ホー ビカミング・ザ・ソング』)
歌手として、民主活動家として闘い続けるその姿に圧倒される(『デニス・ホー ビカミング・ザ・ソング』)[c]Aquarian Works, LLC

コンサートのチケットが発売されれば、数秒後に完売という、香港の人気シンガー、デニス・ホー。その半生を見つめるドキュメンタリーだが、彼女の勇気ある言動に最後まで激しく心を揺さぶられるのは間違いない。2014年、「雨傘運動」と呼ばれたデモで市民と一緒に座り込み、警察に逮捕されたデニスは、その時点で中国のブラックリストに入ってしまい、中国での仕事が事実、不可能となる。それでも2019年の民主派デモでは最前線に立ち、機動隊とぶつかり合う。さらにLGBTパレードでは同性愛をカムアウト。こうした社会活動や、中国が推し進める政策による香港の重苦しい現実と並行して、デニスのミュージシャンとしての成長と葛藤が、ステージパフォーマンスとともにつづられる。圧倒的な歌唱力もあって、全編、フルスロットルの熱さ!自分の信念にまっすぐに、時に苦しんで迷いながら、心境を吐露するデニスの姿は、国や人種、性別を超えて観る人の人生を変える可能性もある。(映画ライター・斉藤博昭)

週末に映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて!なお、緊急事態宣言下にある都道府県の劇場の一部では引き続き臨時休業を案内している。各劇場の状況を確認のうえ、足を運んでほしい。

構成/サンクレイオ翼

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