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愛され続ける国民的ヒロイン!沢口靖子を知るための10のトリビア

コラム

愛され続ける国民的ヒロイン!沢口靖子を知るための10のトリビア

6:「ゴジラ」映画のカギを握るヒロインだった!

「科捜研の女」から沢口のファンになった人は知らないかもしれないが、彼女は過去「ゴジラ」映画のヒロインも務めている。まず『ゴジラ』(84)に女子大生の奥村尚子役で出演した沢口の、かなり異色のキャラを観ることができるのが、ハリウッド版の最新作『ゴジラvsコング』(21)のマイケル・ドハティ監督もお気に入りの1本に挙げていた大森一樹監督の『ゴジラvsビオランテ』(89)だ。一般公募のオリジナル・ストーリーがベースの本作で沢口が演じたのは、一度は死んでしまうものの、遺伝子工学の権威である白神博士の手で蘇る博士の一人娘の英理加。だが、英理加の遺伝子とバラ、ゴジラのG細胞をかけ合わす形で復活した彼女は、なんと巨大な怪獣ビオランテになってしまうのだ。クライマックスでは“花獣形態”と呼ばれる姿でゴジラと激闘を繰り広げ、最後には沢口の顔がスクリーンいっぱいになるので、初めて観た人はのけ反るかも。とはいえ、科学の暴走の産物とも言えるこのビオランテ役には、その約20年後、科捜研の科学者を演じることになる沢口との不思議な因果関係を感じずにはいられない。

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7:月から来た“かぐや姫”を演じている

沢口はなんと“かぐや姫”にもなっている。それが『黒い十人の女』(61)、『犬神家の一族』(76)、『細雪』(83)などで知られる名匠・市川崑が、誰もが知る古典的名作をVFXを駆使して実写化したSFファンタジー大作『竹取物語』(87)だ。沢口の演じたヒロインの加耶(の生まれ変わり)には宇宙人だったという明確な設定が与えられたが、ストーリー展開は古典にほぼ忠実。色鮮やかな十二単の衣裳をまとった沢口の美しさが、市川監督の映像美によってさらなる輝きを放っていた。両親(育ての親)役の三船敏郎、若尾文子、さらに中井貴一、石坂浩二とのやりとりも必見!『科捜研の女- 劇場版-』に特別出演している伊東四郎とも共演しているので、“科捜研”ファンはチェックしておきたい。

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8:“リッツパーティー”を28年間続けた

ドラマや映画とはまた違う、CMで見せる沢口の存在感や魅力にも触れないわけにはいかないだろう。なかでも特に印象的なのは、旧・ヤマザキナビスコが発売していたクラッカー「リッツ」のCM。1988年から出演し、沢口が友だちとリッツを楽しむCM内の“リッツパーティー”は、彼女のプライベートを覗いているような親近感も評判を呼び、28年間も続くほどの人気に。だが、2016年9月にヤマザキナビスコがヤマザキビスケットに社名変更したのを機に、惜しまれつつ終了。2016年8月19日、AbemaTVのニュース番組「Abema Prime」で開催した“最後のリッツパーティー”で幕を閉じたが、沢口が同年12月に後継のクラッカー「ルヴァン」のCMで“ルヴァンパーティー”を実施。長年のファンを安心させた。そんな沢口の、CMのもう一つの代表作が「タンスにゴン」だ。クセの強いキンチョーのこのCMでは、女子高生やマリリン・モンローに似たキャラから押しの強い主婦、国会答弁をする議員までを沢口が関西弁で快演!そのコミカルな演技は、「科捜研の女」で演じているマリコのちょっぴり天然なキャラに繋がっているのかもしれない。

9:ジブリ映画『千と千尋の神隠し』では、千尋のお母さん役に

沢口の女優としてのフィールドは実写の枠に留まらない。アニメ界の巨匠・宮崎駿も独自の魅力や存在感を放つ彼女のことを放っておくわけがなく、2001年の『千と千尋の神隠し』で千尋のお母さんのボイスキャストに起用。沢口は物を食べるシーンのアフレコに実際にチキンを食べながら臨んだというが、それがあの、千尋の両親が豚になってしまう驚愕のシーン。ちなみに父親役の声を担当したのは、「科捜研の女」でマリコのパートナーの京都府警の刑事・土門薫を演じている内藤剛志。その事実を知った“科捜研”ファンが当時ザワザワしたのは言うまでもない。

10:榊マリコは最大のアタリ役

マリコと対決する微生物学者役に佐々木蔵之介(『科捜研の女 -劇場版-』)
マリコと対決する微生物学者役に佐々木蔵之介(『科捜研の女 -劇場版-』)[c]2021「科捜研の女 -劇場版-」製作委員会

こうして振り返っただけでも多くの主演作や代表作を持つ沢口の輝かしいキャリアがよく分かるが、最大の当たり役は、間違いなく、彼女が30代で出会ったドラマ「科捜研の女」シリーズの榊マリコだだろう。1999年にスタートした本作は、20年以上にわたる歴史のなかで累計254話に到達。ほんのわずかな糸口から真実に辿り着き、真犯人を暴くマリコの科学捜査オタクぶり、真実解明のためにはなりふり構わず“暴走”する彼女のキャラ、土門刑事やほかの科捜研のメンバーとのコミカルなやりとりも視聴者の人気を呼んで大ヒット!2015年には第23回橋田賞に輝き、作品のクオリティの高さも実証されている。

そんな本作の集大成となる今回の劇場版では、マリコと土門、科捜研のメンバーが佐々木蔵之介の演じる微生物が専門の最強の科学者・加賀野亘と対決することに。これぞ、科学者VS科学者が激突する劇場版に相応しいスケールの大きなバトル。はたして、マリコは加賀野の秘密を暴くことができるのか? その鍵を握るシーンでは、沢口がワイヤーアクションに果敢にチャレンジ! 彼女の新たなる進化を大きなスクリーンで目撃して欲しい。

文/イソガイマサト

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