キアヌ・リーブス、18年ぶりの新章『マトリックス レザレクションズ』公開!人生初の大きな選択を振り返る
「役者になろうと決めた選択は、一番大きな決断だったかもしれない」
――予告編で、エレベーターの中の人々がみな、一生懸命スマホを観ているシーンが印象的ですが、18年前と比べて、ネットの世界で一番違うのはSNSの進化だと思います。そんないまの状況をどう捉えていますか?
「『マトリックス・レザレクションズ』のそういったシーンで語られるのは、(現代社会に対する)“観察”でしょうか。僕の演じるネオはアウトサイダーで、そういった関わり合いの外にいるけれど、ラナは(SNSが)いかに偏在しているかについて描いていると思うし、そういうことについて僕たちがもっと考えなければいけないのだと問いかけているのかもしれません」
――ちなみにあなた自身は、SNSとはどんなふうにつき合っているのでしょうか?
「SNSはまったくやっていないです。メールと(スマホの)メッセージ以外にSNSとは関わりがないです」
――マトリックスと言えば青いピル、赤いピルに象徴される「選択」というのも重要なワードの1つだと思いますが、あなたのキャリアにおいて、重要だったチョイスとはなんでしたか?
「最初の選択は役者になろうと決めたことで、それが一番大きな決断だったかもしれない。僕はカナダのトロント育ちだから、自分の初めてのマイカーに乗って、トロントからハリウッドまで行くのはとても大きな選択でした。そのあとで作る機会を与えられたどの映画においても選択はしているのだと思いますが、それらの機会にとても感謝しています」
――どの作品でも出演するかしないかの選択をしているということですよね。そのなかで一番よかったと思う選択は?
「その質問に答えるのは苦手なんです(苦笑)。でも、いまは『マトリックス』の話をしているから、『マトリックス』ってことにしておきますね(笑)」
――「マトリックス」シリーズで、20年以上かけて演じてきた主人公ネオ役については、特別な思い入れがありますか?
「いろいろな意味で特別だけど、根本的にはやはり(ネオという)キャラクターへの思い入れが強いです。自分の置かれた状況の真実を求めている姿や、トリニティーとの繋がりという2つの資質を演じられることが最高です。また、キャラクターと繋がる脚本のテーマやアイディア、キャラクターが身を置く世界観が非凡ですばらしい。実際、『マトリックス』という映画、あるいはこのキャラクターほどの役を演じられる機会には、まだ巡り合えていないとも言えます」
――カムバックへの反響をふまえ、改めて『マトリックス』があなたのキャリアにどんな影響を与えたか教えてください。
「キャリアに与えた影響という意味では、『マトリックス』の人気が出たおかげで、いろいろな作品に関わる機会を与えられたことでしょうか。ローレンス・フィッシュバーン、キャリー=アン・モスともすばらしい友情を育むことができました。アーティストとして自分が心から信じることができる作品と関われることは大きな喜びでした」
文/山崎伸子