「きっとずっとこういう映画を探していました」生きづらい日常に抗う『真夜中乙女戦争』、試写会直後のリアルな感想をレポート

コラム

「きっとずっとこういう映画を探していました」生きづらい日常に抗う『真夜中乙女戦争』、試写会直後のリアルな感想をレポート

10~20代を中心に圧倒的な支持を集める新鋭作家、Fの初の小説を若き俊英、二宮健監督が映画化した『真夜中乙女戦争』(1月21日公開)。『弱虫ペダル』(20)で第44回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞したKing & Princeの永瀬廉が主演を務め、いまを生きる若者が漠然と抱く悩みや不安、退屈な未来に抗おうとする姿を描く衝撃の青春ストーリーだ。主人公と同世代の人はもちろん、かつて似たような感情を持った大人たちの心にもグサりと刺さりそうな本作の公開に先駆け、MOVIE WALKER PRESSでは試写会を実施。そこで集まった感想コメントから印象的なものをピックアップしていきたい。

【写真を見る】ジャズのスタンダードナンバー「Misty」をしっとりと歌い上げる、池田エライザが演じる“先輩”
【写真を見る】ジャズのスタンダードナンバー「Misty」をしっとりと歌い上げる、池田エライザが演じる“先輩”[c]「2021」真夜中乙女戦争

東京で一人暮らしを始めたばかりの大学生“私”は、退屈な講義と深夜バイトの繰り返しで無気力な日々を送っていた。そんな時、「かくれんぼ同好会」というサークルに所属する、凛々しく聡明な“先輩”に出会い、日常がきらめき始める。その一方で、ありふれた日常に刺激を与えるように様々な悪戯を繰り返す謎の男“黒服”とも行動を共にするようになる。しかし、カリスマ性あふれる“黒服”の下には、彼に賛同する同志たちが集まり、その言動も激化。やがて“私”と“先輩”を巻き込み、“真夜中乙女戦争”と銘打った東京破壊計画が実行されようとしていた。

将来が不透明で、生きづらい現代社会…。そんな世界で葛藤する登場人物の姿が心を揺さぶる

将来への漠然とした不安や焦り、既成の枠組みやSNSが作りだす虚構の世界に翻弄され、無意味な日常を生きるだけの虚無感など、モラトリアムのなかで葛藤する若者の姿を映しだす本作。作品を鑑賞した人たちからも、「共感した」「心に響いた」といった声が数多く上がっている。

「休む暇がないほど衝撃の連続でなかなか思考がまとまりませんが、コロナ禍の時代にすごく響く作品だと思いました」(10代・女性)
「苦しいくらいにまっすぐで優しくて、きっとずっとこういう映画を探していました」(10代・女性)
「いままでいろんな映画を観てきたけど、こんなに感情移入した作品は初めてでした」(10代・女性)
「将来が不確かで、孤独で先行きが不透明な大学生の揺らぐ気持ちに共感できるところがあった」(10代・女性)
「限られた人生で、いつ死ぬのかもわからないなかで、生きていくってなんだろうなと思いました。自分の役目を考えて生きていきたい」(20代・女性)
「想像をはるかに超える内容で頭が追いつかず、疲労感でいっぱいです。とても集中して見てしまい、あっという間でした」(20代・女性)

美しい映像とあいまって、普段は心にしまっていた様々な感情が呼び起こされる作品だ
美しい映像とあいまって、普段は心にしまっていた様々な感情が呼び起こされる作品だ[c]「2021」真夜中乙女戦争

主人公である“私”は、恋と破壊という2つの出会いによって、自意識で固められた殻を打ち破り、成長し変貌していく。そんな姿に「勇気をもらった」「考えさせられた」という人もいるようだ。

「つらい人生を生きていても『生きていることが大事、生きてさえいればなんとかなる』という言葉にすごく背中を押されました」(10代・女性)
「“私”の人生を諦めてないところや人間くささが羨ましい。自分の感情や人生にきちんと向き合っていきたいと思いました」(30代・女性)
「現代とすごくリンクしているところがあり、ドキッとしました。何回も観ていろんな解釈をしたいです」(20代・女性)
「非現実的な内容だけど、どこかいまの世界に通ずるものがあって、人によって思うところが違うんだろうなと思います」(20代・女性)
「感情がとにかく引っ掻き回され、一度観ただけでは的確に言葉で表現できない」(20代・女性)

このほか、「原作を読んだうえで映画を観ましたが、原作がきちんと再現されている部分と映画オリジナルの部分がどちらもとてもおもしろく、美しい映画でした」(10代・女性)「“私”になって映画を観ることができた。今度は“黒服”の立場でもう一度観てみたい」(20代・男性)といった意見のほか「『ファイト・クラブ』を痛烈に、的確にオマージュした表現が印象的でした。映画好きの友人と、縦の文脈でもぜひ話し合いたい」(20代・男性)といったコメントもあり、原作ファン、映画ファンからも高評価を得た。

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