スパイダーマンに敵対する新たなヴィランが誕生!“バットマン×ドクター・ストレンジ”なモービウスの正体に迫る
「ヴェノム」?それとも「スパイダーマン」?『モービウス』はどのユニバースに属する?
本作においてマーベルファンの間で大きな話題を呼んだのが、ナイフを持った男を押さえつけたモービウスが「お前は誰だ?」と聞かれたのに対し、「ヴェノムだ」と唸り声を上げて返すやり取り。どうやらこの作品世界では、ヴェノムはジョークとして通用するほどポピュラーな存在ということらしい。さらに、殺人事件らしき犯罪現場に現れた2人の刑事が、「サンフランシスコの一件以来の大惨事だ」というセリフを口にしているシーンも。「ヴェノム」シリーズの舞台はサンフランシスコであり、両作品は同じ世界観を共有していると考えられる。
一方で、街を歩くモービウスの横の壁にスパイダーマンのポスターが貼られており、そこに「Murderer(殺人罪)」とスプレーでなぐり書きがされている光景も確認できる。おそらく、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(19)のラストでミステリオの陰謀にはまったスパイダーマンが人殺しの汚名を着せられたことに起因したものかと思われるが、そうなると「ヴェノム」の世界線とは矛盾が…。このほか、「スパイダーマン」でおなじみデイリー・ビューグル紙が一面トップで「医師モービウスが吸血殺人罪で逮捕」と報じるカットもあり、本作はどのユニバースに属しているのか?と考察するのもファンの楽しみになっている。
バルチャー登場でシニスター・シックス結成につながるのか!?
「スパイダーマン」シリーズとのつながりでは、「理性を捨て本能に従え」と語るある男の存在も気になるポイント。その男とは、『スパイダーマン:ホームカミング』(17)でスパイダーマンに敗れ刑務所に送り込まれたバルチャー(マイケル・キートン)だ。原作コミックスには、スパイダーマンを倒すため6人のヴィランが“シニスター・シックス”というチームを結成するエピソードがある。
顔ぶれや人数を変えながら集まったヴィランのなかには、中心的存在のドクター・オクトパスをはじめ、グリーンゴブリン、サンドマン、リザード、エレクトロ、ライノ、バルチャー、ヴェノムらスパイダーマン・ユニバース登場メンバーも含まれる。さらに、そのメンバーの一人、クレイヴン・ザ・ハンターが2023年に単独映画として公開予定。本作でバルチャーがシニスター・シックス結成への布石を打つのかもしれない。
スパイダーマン、ヴェノムに続くモービウスの登場で、ますます広がりを見せていくスパイダーマン・ユニバース。親しみやすさで愛されているスパイダーマン、ブラックユーモア満載のヴェノムに続き、闇をまとったモービウスがどんな活躍を見せるのか、その目で確認してほしい。
文/神武団四郎