「人生で一番泣きました…」父と子、町の人々が織りなす家族の人情物語『とんび』は涙なしには観られない!

コラム

「人生で一番泣きました…」父と子、町の人々が織りなす家族の人情物語『とんび』は涙なしには観られない!

不器用な父子を見守る周囲の優しさが沁みる

安田顕扮するヤスの親友、照雲は、物語を通して絶妙な存在感を示していた
安田顕扮するヤスの親友、照雲は、物語を通して絶妙な存在感を示していた[c]2022「とんび」製作委員会

さらに「ヤスと彼を取り巻く周りの人が魅力的だった」(30代・男性)という言葉のとおり、2人を見守る町の人々も印象的。ヤスの幼なじみで時にキツい言葉をぶつけながらも、誰よりも父子のことを気に掛けてくれる寺の跡取り坊主、照雲(安田顕)やその父の海雲(麿赤兒)。薬師丸ひろ子が演じた小料理屋の女将たえ子は、ヤスにとって姉のような存在で、自身も複雑な事情を抱えているにもかかわらず父子を優しく包み込んでいく。

薬師丸ひろ子演じるたえ子には「終始、菩薩のようだった」という声も散見した
薬師丸ひろ子演じるたえ子には「終始、菩薩のようだった」という声も散見した[c]2022「とんび」製作委員会

「照雲がぶっきらぼうながらも、友人もその子も家族も大切にしていて好ましかったです」(20代・男性)
「ヤスがあまりに不器用すぎて、照雲さん、たえ子さんたちがそばにいて本当によかったです。関係性が大好きです」(50代・女性)
「安田さんの演技もすばらしかった。薬師丸さんの温かい感じもほっこりした」(40代・女性)


そんな父子と周囲の人々との家族のような関係を象徴しているのが、雪の降りしきる冬の海でのひと幕。美佐子を失った悲しみからくるヤスの弱音を聞いた海雲は、ヤスとアキラ、照雲を連れて夜の海へ。極寒のなか、ヤスの胸に抱かれたアキラの毛布を取ると「アキラ、お父さんにしっかり抱いてもらえ。顔と腹は温いだろう。それでも背中は寒い。お母ちゃんがおったら背中を抱いてくれた」と説き、静かにその背中に手を当てる。たくさんの人に支えられていることを伝えるこの重要な場面に対して、

「海で背中に手を当てるシーン。周りの心の温かさが伝わった」(20代・男性)
「海雲さんがアキラの背中を手で重ねるところが沁みる」(10代・女性)


と、「印象に残った」というコメントが多く寄せられた。


愛に満ちた本作を象徴するのが、雪の降る海での、海雲から愛のある言葉で励まされるシーン
愛に満ちた本作を象徴するのが、雪の降る海での、海雲から愛のある言葉で励まされるシーン[c]2022「とんび」製作委員会

またこのシーンは、アキラが大人になってから出会う由美()の連れ子である健介の背中にそっと手を当てるシーンにつながっており、「アキラが健介の背中にそっと手を当てる場面。アキラがまっすぐ優しい人間に育ったことがわかる演出だったと思う」(30代・男性)と物語を通じて描かれるメッセージは、観客の心に刺さったようだ。


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