パク・ボゴムやキム・テリの必読スピーチを総まとめ。第58回百想芸術大賞ファッションをプレイバック!
大本命「イカゲーム」がTV部門大賞に輝く
近年の百想芸術大賞では、『はちどり』(18)のキム・ボラ監督、『声もなく』(20)のホン・ウィジョン監督がそれぞれ監督賞を受賞するなど女性監督が健闘していたが、今年も快挙が相次いだ。インディーズ界で実績を重ねてきたチョン・ガヨン監督の商業デビュー作で、デートアプリを通じて出逢った男女をコミカルに描いた『恋愛の抜けたロマンス』(7月8日公開)が脚本賞を受賞。会場には、本作の主演で昨年『ザ・コール』(20)で最優秀女優賞を獲得したチョン・ジョンソが、デコルテの開いた艶やかな黒のドレス姿で現れた。また新人監督賞も、映画ジャーナリストに賞賛されたリュ・スンリョン出演の家族コメディ『ジャンルだけロマンス』のチョ・ウンジ監督に送られた。
TV部門の大賞は、大本命「イカゲーム」が受賞。ファン・ドンヒョク監督も演出賞に、音楽も技術賞を手にした。韓国コンテンツならではのリアルな残虐描写を演出しつつも、社会性とエンタテインメントのバランスを保ったK-ドラマの顔の受賞は納得の評価だろう。レッドカーペットにはイ・ジョンジェ、チョン・ホヨン、ホ・ソンテが登場。白いGUCCIのタキシードに身を包んだイ・ジョンジェと、先日のメットガラとはまた違う可愛らしいルイ・ヴィトンのワンピースを着こなしたチョン・ホヨンは、さすがは一流俳優と言うべきスタイリングだった。
会場の涙を誘った「D.P. -脱走兵追跡官-」チョ・ヒョンチョルのスピーチ
また「D.P. -脱走兵追跡官-」からは、『モガディシュ 脱出までの14日間』をはじめ日本でも続々と出演作が公開待機中であるなど注目度が高いク・ギョファンが新人男優賞を、ヨ・ジングとイ・ジウンによる「ホテルデルーナ」の好演も記憶に新しい演技派チョ・ヒョンチョルが助演男優賞を獲得した。なかでもチョ・ヒョンチョルのスピーチは感動的だった。彼は闘病中の父に「勇気を与えたい」として、「目を少しだけ回すと、庭の窓から赤い花が見えます。それはおばあちゃんです。おばあちゃんがそこにいるからお父さんが怖くなければいいと思います。死とはただ単に、そういう存在様式の変化ではないかな」と語った。彼は昨年、セウォル号事故を主題にした映画『君と私』を撮影していた。「映画を撮りながら、セウォル号の事故で亡くなったあとも、被害者の彼らが確かにここにいると実感しました。だからお父さん、最期の瞬間も怖がらないで」と、痛ましい悲劇に遭ったすべての人々を思いやるとともに、大切な人へ愛を伝えた。
脚本賞は「未成年裁判」(Netflixで独占配信中)が受賞。罪を犯した少年を悪としてただ断罪するのではなく、被害者の感情に寄り添いながら、未熟な加害者たちを社会でどう受け容れていくかという難問に真摯に取り組んだ骨太の脚本が評価された。本作で未成年犯罪を冷徹に裁く少年判事を力演したキム・ヘスは、淡いピンクのワンショルダードレスを纏ってレッドカーペットに登場。大女優の貫禄と美しさで一際目立っていた。一方、少年の凶悪犯罪者を性別を超えて演じたイ・ヨンはクールなパンツ姿で、凜とした姿が印象的だった。
さらにこの日は、K-POPのレジェンドが久しぶりに出逢う瞬間もあった。少女時代ユナとソヒョンは、ともに純白のドレスで式典を彩った。女神のような姿で再会した2人に、多くのファンが心をときめかせたに違いない。