「トイ・ストーリー」ファンが待ちに待った至高の体験!『バズ・ライトイヤー』は宇宙と相性抜群の“IMAX推し”
ピクサー作品には欠かせない!愛すべきキャラクターたちが大活躍
ディズニー&ピクサー作品のファンが注目しているのは、やはり個性豊かで魅力的なキャラクターたちの登場ではないだろうか。スペース・レンジャーのバズの隣にウッディたちお馴染みのおもちゃはいないが、ユニークで愛すべきキャラクターたちが新たな仲間として登場する。
まずはバズが親友のアリーシャにプレゼントされた、ネコ型の友だちロボットのソックス。ハッキングなど様々な能力を発揮する万能ロボットで、バズの強い味方として大活躍。もちろんネコらしい一面を見せることもあって、そのギャップが実に可愛らしい。そしてスペース・レンジャーに憧れるアリーシャの孫のイジーと、失敗ばかりで戦闘能力ゼロのモー、そしてぶっきらぼうながらにくめない、仮釈放中の爆弾作りの達人ダービー。
全員が全員異なる個性と魅力を持ち合わせ、一見するとバラバラな彼らだが、そのアンバランスさが絶妙な笑いを誘い、チームとしての成長ぶりを強く感じることができる。そんな彼らが絆を深めていく様子はもちろん、危険なミッションに挑み続け“時間が止まった”バズの傍らで、年齢を重ねていき、結婚し、家庭を築き、上官へと昇進していくアリーシャとの時間のズレが描かれるせつない中盤のシークエンスなど心に染みるシーンも満載。IMAXのクリアなサウンドで味わうからこそ、彼らの会話の一つ一つが味わい深いものへと昇華されるのだろう。
また本作の日本語吹替版でバズ・ライトイヤー役の声優を務めるのは、『孤狼の血 LEVEL2』(21)で第45回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞した鈴木亮平。大河ドラマ「西郷どん」やTBS系列の日曜劇場「TOKYO MER〜走る緊急救命室〜」など多彩な役柄を巧みにこなす鈴木が命を吹き込む新たなバズの声に注目だ。ほかにも、イジー役に今田美桜、ソックス役にかまいたちの山内健司、アリーシャ役にりょう、さらに三木眞一郎、磯辺万沙子、沢城みゆき、銀河万丈ら豪華声優陣が集結。日本語吹替版と英語のオリジナル版、どちらも魅力たっぷりだ。
そして物語のカギをにぎる敵役として登場するのは、『トイ・ストーリー2』にも登場したおなじみのザーグだ。同作でウッディを助けだす冒険に繰りだしたバズたちは、途中で立ち寄ったおもちゃ屋でザーグともう一体のバズに遭遇。エレベーターシャフトを舞台に両者はバトルを繰り広げ、『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(80)にオマージュを捧げたユーモラスなシーンが描かれた。そこで語られたように、ザーグはバズの父親なのだろうか…?本作ではついにその正体が明らかにされる。
もちろん主人公であるバズの大活躍も盛りだくさん。クライマックスには「トイ・ストーリー」ファンが待ちに待った瞬間も訪れ、初めて「トイ・ストーリー」を観た時の興奮がいっきに甦ることだろう。誰もが童心に還り、アンディと同じ気持ちを味わえる至高の体験だからこそ、ほかのすべてを忘れられるほど没入できるIMAXでの鑑賞がうってつけだ。IMAXでの上映は2週間限定。乗り遅れないように、いますぐ無限の彼方へ飛び立とう!
文/久保田 和馬