圧倒的映像体験が劇場を“戦場”に変える!超迫力の『キングダム2 遥かなる大地へ』は“IMAX推し”
山崎賢人の情熱的なアクションを大画面で目撃せよ!
そして前作以上にパワーアップした信役の山崎のアクションには、目を見張るものがある。前作では、幼なじみの漂を亡くした信が、漂と約束した「天下の大将軍になる」という夢に向かって歩きだす姿が描かれた。山崎は「信が大好き。『キングダム』を愛している」とイベントに登場するごとに作品への愛をあふれさせ、夢に一歩一歩近づいていく信を捉えた続編にも「前作より成長した信の姿を見てもらいたい」と並々ならぬ想いで帰還。全身全霊を注ぎ込み、完成報告会見の場で「すごい続編ができた」と晴れやかな笑顔を見せていたのも印象的だ。
いよいよ迎えた初陣が描かれる本作では、映画冒頭で信が「待たせたな」とニヤリとしてくれる。この時点で「信、来たぞー!」といやがうえにもテンションが上がるのだが、そこからのめくるめくアクションシーンの連続には、さらに胸が高鳴るに違いない。敵兵の真ん中に、信がドン!と先陣を切って飛び込む瞬間は、彼の夢への大きな一歩ともいえる、見逃せない大切なシーン。1人対大勢の戦いに挑んだり、ハイジャンプを決めるほか、今回の山崎は馬にさっそうと飛び乗って剣を振るうアクションまで披露している。どれほどの訓練を積んだのかと驚かされるが、なにより注目は、漂への想いを胸に抱いて戦う“信の気迫”までを、山崎が体現していること。
嬴政役の吉沢は「漫画原作なので、普通に考えたらありえないような動きをする。でも賢人が信になりきって、体の全細胞を使ってやることによって、本当にそういう動きをしているように見える。その説得力がすごかった」と熱弁していた。IMAXの巨大スクリーンを所狭しと暴れまくる信…山崎の情熱的なアクションを、ぜひ目撃してほしい。
美しくも恐ろしい、羌瘣の剣技に酔う
原作ファンから絶大な人気を誇るキャラクター、羌瘣(きょうかい)の登場も、本作の大きな見どころだ。哀しみの一族とも言われる伝説の暗殺一族、“蚩尤(しゆう)”の一人で、人間離れした戦闘能力を持つ羌瘣。実写版でこのキャラクターを演じるという大役を担ったのは、アクションにも定評のある清野菜名。原作者の原も「卓越した身体能力の持ち主の清野さんのアクションは、まさに羌瘣そのものでした」と大絶賛しており、羌瘣が独特のリズムで舞うように相手を倒す戦闘シーンは、あまりのスピード感に驚愕必至。共演者たちも「人ってこんなふうに動けるんだっけ」と目を丸くしていたというアクションは、必見だ。また映画オリジナルとして、信と羌瘣がお互いの想いをぶつけ合う場面もある。信のまっすぐさと羌瘣の葛藤が見て取れる、感動的なシーンとなっているが、ここもIMAXで確認してほしいひとコマ。2人は夜の暗がりのなかで会話を交わすのだが、暗いシーンもコントラスト豊かに表現するIMAXならば、よりいっそう彼らのドラマが胸に迫るはずだ。
そのほか、個性豊かなキャラクターが続々とお目見えするのが本シリーズの醍醐味で、前作で人気を博した王騎(大沢たかお)のほかを圧倒するような存在感の大きさ、信の仲間となる歩兵隊“伍”のメンバーがもがきながら必死に戦う姿、最前線で先頭に立つ千人将の縛虎申(渋川清彦)の勇敢さ、本能型の将軍、麃公(豊川悦司)が魏軍に乗り込んでいく場面も、大画面で観なければもったいない!ワールドプレミアで、豊川は「僕の演じた麃公はカツラをつけ、つけ髭をつけています。そしてもう一つ、なにかをつけています」とアピールしていたが、隅々まで目を凝らして、それぞれのこだわりを確かめてみたい。
音楽や効果音にも注目!Mr.Childrenの主題歌「生きろ」に泣く
アクションシーンにおいては、効果音も重要な役割を担っている。前述した戦車隊が迫りくる音や、戦車が吹っ飛ぶ音。馬がドガガガと駆ける音、剣と剣がぶつかり合う音や、兵士たちの叫び声、キャラクターたちの息づかいなど、IMAXの澄んだ深みのあるサウンドを実現する高度な音響技術によって、目の前で戦いが行われているかのような臨場感とリアリティを感じさせてくれる。
そして本作の音楽を担当したのは、1989年生まれの作曲家、やまだ豊。テレビアニメ「東京喰種トーキョーグール」のOST(オリジナルサウンドトラック)はYouTubeでの再生回数 が1億回を超え、2017年以降は拠点をLAに移し、中国映画『Cry Me a Sad River』(18)など海外作品にも力を入れているやまだ。世界的にも注目されている彼が手掛けた音楽が、信の初陣と、将軍たちの戦いをドラマチックかつエモーショナルに盛り上げている。
Mr.Childrenが書き下ろした主題歌「生きろ」も、本作の壮大な景色を見事に音楽として表現している。タイトルの「生きろ」は、作詞・作曲を手掛けた桜井和寿が映画のシナリオに突き動かされて出てきた言葉なのだという。前進し続ける信の生き様に胸を熱くし、ラストの余韻に浸りながら流れてくる、「生きろ」という優しく、力強い歌声。信たち、そして観客の背中までを押してくれるような楽曲として仕上がっている。IMAX音響でエンドロールの最後まで聞き遂げ、たっぷりと「キングダム」の世界を味わい尽くしてほしい。
※山崎賢人の「崎」は立つ崎が正式表記
文/成田おり枝