『アベンジャーズ』公開10周年、アイアンマンにキャプテン・アメリカ、ソーら初期メンバー6人の足跡を辿る
神々の国アスガルドからやって来た雷神・ソー
アベンジャーズのもう一人の顔役となるのが神々の国アスガルド出身の雷神ソーで、クリス・ヘムズワースが演じている。その傲慢さから父オーディンの怒りを買い、彼の最大の武器でもあるムジョルニアを取り上げられ、地球に送られたソーは、天文学者のジェーンと出会ったことで愛を知り、高潔さを取り戻す。当初は、弟のロキとの確執が火種となり、アスガルドでの戦い、そしてニューヨークでのチタウリによる襲撃などの事件が起こってしまうが、アスガルドをねらったダーク・エルフたちとの戦いや、姉である死の女神ヘラとの戦いを経ることで、ロキとも和解を果たす。
しかし、ヘラが起こした厄災「ラグナロク」によってアスガルドは崩壊。さらに、アスガルドの避難民を率いて宇宙を漂流するなかでサノスの艦隊による襲撃を受け、ロキは殺され、ソー自身も大敗を喫してしまう。新たな武器、ストームブレイカーを手に入れ、ワカンダを襲うサノスの軍勢を蹴散らすも、詰めの甘さからサノスを倒しきることができず、目の前で全宇宙の半分の生命が消えるのを止めることができなかった。失意のどん底に陥った彼は自暴自棄になってしまうが、過去への旅でかつて救えなかった母親と再会したことから奮起し、ムジョルニアとストームブレイカーを握りしめ、三度サノスへと立ち向かう。
サノスとの最終決戦後は、アイアンマンが戦死し、キャプテン・アメリカもヒーローから身を引くが、ソーは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のメンバーと一緒に宇宙へ。シリーズ4作目となる『ソー:ラブ&サンダー』(公開中)では、すべての神を殺そうとするゴアを倒すため、ムジョルニアを手にしたことでマイティ・ソーとなったジェーンと共に新たな戦いに挑む姿が描かれた。本作以降もソーはMCU作品に登場することが発表されており、その活躍をまだまだ追っていきたい。
能力に苦悩し続けた、緑の大男ハルク
『インクレディブル・ハルク』ではエドワード・ノートン、『アベンジャーズ』以降はマーク・ラファロが演じているハルクことブルース・バナー博士。キャプテン・アメリカ誕生のきっかけとなった「スーパーソルジャー計画」の再現実験とも言える人体強化実験に従事していた天才科学者のバナーは、自らの肉体を実験台にしてガンマ線照射を試みた結果、緑色の大男に変身してしまい、軍から追われる身に。実験の責任者であったロス将軍がバナーを捕獲するために軍人のブロンスキーを招集するが、彼がハルクの血清を自身に投与したため、アボミネーションへと変身し暴走。バナーは軍に協力してアボミネーションを捕獲するが、再び流浪の道を選ぶことになった。
その後、アベンジャーズに加わり、大きな戦力として活躍するも、『エイジ・オブ・ウルトロン』でワンダの精神攻撃によって正気を失い、ヨハネスブルグの街を破壊。ハルクの制御に自信をなくしたバナーは三度逃亡の道を選んでしまう。アベンジャーズから距離をとったハルクは、辺境の惑星サカールの闘技場で闘士として活躍していたところ、そこへ飛ばされてきたソーと再会を果たす。ヘラによって窮地にさらされるアスガルドを救うべく、ソーやロキ、ヴァルキリーと共に戦った。
アスガルド崩壊後は、脱出した船で移動している矢先にサノスの襲撃に遭い、反撃するもまったく歯が立たずに敗北。地球にサノスの脅威が近づいていることを知らせる役目として、ドクター・ストレンジのもとに送られるが、敗北のショックでハルクに変身できなくなってしまう。その後、バナーはハルクとの融合を試みることで、バナーの精神のままハルクとして行動できるようになり、サノスとの戦いでは頭脳面でも大きな役割を果たすことになる。
ハルクと融合したバナーのその後の動向は、ハルクの血液を受け継いでしまったがために同様の力を持ってしまった彼の従姉妹、ジェニファー・ウォルターズが活躍するドラマシリーズ「シー・ハルク:ザ・アートニー」(8月18日配信開始)で明らかになりそうだ。