視覚と聴覚で味わう、至高のエンタメ体験!謎に包まれた『NOPE/ノープ』の衝撃を味わえる “IMAX推し”
『ゲット・アウト』(17)で世界中を驚愕させた鬼才ジョーダン・ピール監督が、3年ぶりに手掛けた最新作『NOPE/ノープ』が、ついに本日より日本公開を迎えた。IMAXフィルムカメラで撮影された本作は、SFやスリラーの要素のなかで畳み掛けるアクションが展開する極上のエンタメ大作に仕上がっており、ノンストップの映像体験はIMAXでこそ真価を発揮するものになっている。本稿ではIMAX鑑賞での注目ポイントを紹介しながら、多くの謎に包まれた本作をネタバレのない範囲で紹介していきたい。
SFやスリラーの要素に、驚きの連続…壮大なエンタテインメントが誕生
物語の舞台はロサンゼルス郊外サンタクラリタにある広大な牧場。映画やテレビの撮影に使われる馬の調教を行なってきたヘイウッド家は、父オーティス(キース・デイヴィッド)が飛行機からの落下物によって事故死するという災難に見舞われて以来、苦境に立たされていた。牧場を継いだ息子のOJ(ダニエル・カルーヤ)と、その妹であるエメラルド(キキ・パーマー)は、開拓時代の西部の町を再現した近隣のテーマパークに馬を売ってなんとか凌いでいたが、パークの経営者である元子役のリッキー(スティーヴン・ユァン)から牧場を売却するよう提案されてしまう。そんなある夜、ゴーストと名付けられた馬が牧場から脱走。追跡したOJは、丘の向こうに奇妙な飛行物体を目撃することに。
自ら脚本も手掛けたピール監督は、「本作は2020年のコロナ禍で書かれた作品です。いまなお続く様々な恐ろしい出来事を『NOPE/ノープ』は反映している」と説明する。そして「僕にとってこの作品は日常からの逃避みたいなもの。観客の皆さんにとっても、現実を忘れるきっかけになってくれればうれしいです」と語るように、本作では壮大なエンタテインメントを創りだすことを追求したのだという。
そのうえで影響を受けた作品として挙げているのは、スティーヴン・スピルバーグ監督の『未知との遭遇』(77)だ。「違う世界から“なにか”が到来した場に、自分たちが立ち会っているという感覚にさせられた。そのスピルバーグの才能になによりも惹かれ、世界観に浸るという体験をどうしても追求したいと思いました。そして、もしあの物語の裏に、想像を絶するダークな真実が秘められていたら…と考えたのです」。
未知なるものに期せずして遭遇してしまった主人公たちが、どのような行動をとるのか。社会的なテーマを随所に織り交ぜながらも、SFともスリラーとも捉えることができる緊張感や恐怖、さらに兄妹を中心とした家族愛の物語など、エンタテインメントの要素がぎっしりと凝縮された本作。その世界観を隅々まで味わい尽くすには、壁一面の巨大スクリーンで映画の世界へ没入できるIMAXでの鑑賞がまさにうってつけだろう。
ここからは、通常スクリーンでは味わいきれないほどのこだわりが詰まった、IMAX撮影と音響のマジックについて掘り下げていこう。