視覚と聴覚で味わう、至高のエンタメ体験!謎に包まれた『NOPE/ノープ』の衝撃を味わえる “IMAX推し”
『TENET テネット』の名カメラマンが仕掛ける、IMAX推奨の映像体験!
本作の撮影監督を務めたのは、これがピール監督と初タッグとなるホイテ・ヴァン・ホイテマ。映画ファンならばこの名前を見ただけで、本作がIMAXで観るにふさわしい作品であると直感することだろう。
『ぼくのエリ 200歳の少女』(08)で世界的注目を集めたホイテマは、近年では“IMAXの名手”としてその名を馳せる。クリストファー・ノーラン監督の『インターステラー』(14)では誰も見たことがないSF世界を、サム・メンデス監督の『007 スペクター』(15)ではシリーズの常識を覆すスタイリッシュなアクションを切り取り、ノーラン監督と再タッグを組んだ『ダンケルク』(17)では観客に戦場を疑似体験させる臨場感を生みだした。そして『TENET テネット』(20)ではノーラン監督の常人離れしたビジョンを具現化させるなど、いまやハリウッド映画界に欠かすことができない人物だ。
ホイテマを起用した理由として、ピール監督は「本作にはスペクタクルだけでなく、ニュアンスやロマンティックな要素も欲しかった。ホイテ(・ヴァン・ホイテマ)のこれまでの仕事ぶりを見て、感情を揺さぶられるすばらしい撮影監督だと感じていたからです」と明かす。当初は通常のデジタルカメラで撮影する予定だった本作は、ホイテマの参加によってIMAXと大判の65ミリフィルムで撮影されることに。完成した作品を見れば、画面に詰まった情報の密度は段違いで、ホイテマとのタッグが本作の映画としてのスケールを格段に高めたといって過言ないだろう。
本作では、およそ4割のシーンが専用のIMAXカメラを使って撮影されている。広大な草原に、不穏な雲が浮かぶ空。巨大スクリーンに映しだされる白昼の雄大なロケーションは、それだけでも映画館にいることを忘れてしまうほどの臨場感にあふれている。さらに、撮影班の創意工夫により実現した、夜のシーンの“暗くない”不思議な質感と、空から迫りくる正体不明の恐怖。これまでもかと情報量が詰め込まれた映像を浴びるように体験してほしい。
また、本作のこだわりは映像だけにとどまらず、IMAXの精密なシアター設計のなかでこそ際立つ音響表現にも心血が注がれた。ピール監督は「聴覚にこそ訴える作品にする必要がある」と考え、本作のもう一つの主役が“風”であると説く。広大な牧場に吹き付ける風と、突如として訪れる静寂。そして登場人物たちの緊張感を伝える息遣い。「登場人物たちは、スクリーンのなかにいるのではなく、映っている場所に実際にいるように感じることでしょう。畏怖や恐怖といった、大人から子どもまで誰もが持っている感覚に最大限包まれてほしい」。ピール監督が意図した没入感を体験できるのは、IMAXをおいてほかにはないはずだ。