批評家が選ぶ“ハロウィン映画”ランキング!全世代楽しめる“フレッシュ”な名作10選
スティーヴン・スピルバーグ監督が手掛け、いまなお世界中で愛され続けているSFファンタジー映画の名作『E.T.』が99%フレッシュというズバ抜けた高評価を獲得。実はつい最近まで「ロッテン・トマト」での評価は98%フレッシュだったが、いまなお新たにレビューを投稿する批評家が後を絶たず、スコアアップにつながっているようだ。
北米での初公開時は6月に封切られたサマームービーだったが、記録的な大ヒットによってその年のハロウィンはもちろん、次の年の夏まで約1年にわたって劇場公開される超ロングラン。当時の北米興行収入で新記録を樹立する圧倒的な支持を集めたほか、アカデミー賞作品賞にもノミネートされた。
そんな『E.T.』では物語のクライマックスにハロウィンが登場。時代を経ても色あせない魅力的なストーリーとスピルバーグ監督の高い演出力、ジョン・ウィリアムズの印象的な音楽を味わうと同時に、当時のアメリカにおけるハロウィンの過ごしかたを知ることができるだろう。今年は公開40周年のアニバーサリーイヤー。この名作と出会うには絶好のタイミングだ。
次いで97%フレッシュの高評価となったのは2作品。公開当時に世界中で社会現象を巻き起こす大ヒットとなり、シリーズ化やリブート版も製作されたアイヴァン・ライトマン監督の『ゴーストバスターズ』と、ディズニー&ピクサーが製作しアカデミー賞長編アニメーション賞に輝いた『リメンバー・ミー』。
どちらもハロウィンを題材にした作品ではないが、かたやニューヨーク中に現れた悪霊を退治する作品で、もう一方はメキシコの死者の日(ハロウィンと同じ時期に行われる祝祭で、仮装などが行われるあたりハロウィンに近しい行事として知られている)を描いた作品ということもあり、いまではすっかりハロウィン映画として紹介されることが多くなっている。また、ハロウィンの仮装の定番としても浸透している。
一方でしっかりとハロウィンを描いたハロウィン映画の代表格といえば、やはり『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』だろう。初公開から30年近く経とうとしているが、いまだに世界各国や地域で再上映が行われるほどの人気を誇り、数年前には3D版も製作。新作映画の公開が途絶えた2020年の北米再上映では例年以上のヒットを記録したほど。
“ハロウィン・タウン”に暮らすジャック・スケリントンがある時、森の奥で陽気な“クリスマス・タウン”を見つけ、たちまちクリスマスに魅了される。そして自分たちでクリスマスを行おうと悪戦苦闘するユニークなストーリーと個性的なキャラクターたちは、(ちょっぴり怖いけれど)愛らしい。ハロウィンにもクリスマスにも楽しむことができるので、ハロウィンを過ぎてからでも季節感を損なわずに楽しめるというのが人気の秘訣だ。
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』は、熱狂的ファンが多い鬼才ティム・バートンが原案と製作を務めているが、バートン作品ファンには87%フレッシュの『フランケンウィニー』も必見。バートンがキャリア初期に手がけた短編映画を自ら長編リメイクした作品で、こちらもダークで愛らしさあふれる一本。また、よりダークな世界観を求めるならば、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』でメガホンをとったヘンリー・セリック監督の『コララインとボタンの魔女 3D』もおすすめだ。
ほかにも『コララインとボタンの魔女 3D』と同じアニメ制作会社ライカが手掛けた『パラノーマン ブライス・ホローの謎』や、イギリスを代表するアニメーション・スタジオ「アードマン」が手掛けた人気シリーズの初長編『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』も、ほどよいダークさがアクセントとなった作品で、世代を問わず魅了されること間違いなし。ハロウィンの夜は家族そろって“ハロウィン映画”を楽しんでみてはいかがだろうか。
文/久保田 和馬