母と娘のすれ違い、交錯する想いとは?『母性』ファイナルトレーラーが到着
湊かなえの小説を、戸田恵梨香と永野芽郁の共演で描く『母性』(11月23日公開)。本作より、ファイナルトレーラーが解禁となった。
原作は、数々の傑作を生みだし日本中を震撼させてきたベストセラー小説家の湊が、「これが書けたら、作家を辞めてもいい。そう思いながら書いた小説」と語った渾身の作品で、累計発行部数120万部を突破した「母性」。ある未解決事件の語り手となる母娘に扮した戸田と永野が、繊細かつ大胆な演技で新境地を切り開く。さらに、物語に登場するひと際キャラの濃い母娘たちを、大地真央、高畑淳子、中村ゆり、山下リオが熱演。監督を務めるのは人間ドラマの名手、廣木隆一が担当する。
第41回バンクーバー国際映画祭にて正式招待作品としてワールドプレミア実施。ガラ・セレクション部門作品として招待された第35回東京国際映画祭では、レッドカーペットや会見を華々しく飾り、ジャパンプレミアでの日本初上映から大反響が巻き起こったほか、先日発表された報知映画賞で作品賞や女優賞など4部門5ノミネート、日刊スポーツ映画賞でも監督賞にノミネートを果たすなど、2022年の映画シーンを大いに賑わせている。
東京国際映画祭のレッドカーペットで見せた戸田と永野のドレス姿や、バンクーバー国際映画祭で大歓迎を受けた原作者、湊が力を込めてコメントする様子、さらに数々の映画祭でのノミネートもずらりと並び、冒頭から本作への圧倒的注目度をまざまざと感じさせるファイナルトレーラーが解禁に。のどかで美しい風景と対照的にミステリアスなメロディが響くなか、娘を愛せない母、ルミ子(戸田)の「私が間違えていたのです」という独白を皮切りに、愛されたい娘、清佳(永野)との歪な親子関係、義母(高畑)に理不尽なまでに虐げられる家庭環境と、不穏な気配が次第に拍車をかけていく模様が映しだされる。「なんで…!」とベッドの清佳を叩くルミ子のいまにも壊れてしまいそうな表情や、清佳がルミ子へ投げかける「自殺したって本当なの?」という意味深な言葉、そして首に縄がかかったまま目を瞑り横たわる清佳を呼ぶルミ子の悲痛な叫び…。果たしてこれは事故か、自殺か、殺人なのか。まばたきする間もなく挿し込まれる緊張感があふれるシーンからも謎がますます膨らみ、映像の締めくくりには、清佳を愛情たっぷりに強く抱きしめるルミ子と、かたやルミ子に首を絞められる清佳という、同じ出来事のはずなのに180度記憶が食い違った姿が捉えられている。
“母性”に惑わされる非常に複雑なこの母娘関係を見事に演じきった戸田と永野の2人には、湊も「戸田さんの鬼気迫る演技に鳥肌が立ちました。永野さんの表情での演技も素晴らしかったです」と太鼓判を押しているが、役作りにはかつてない苦労を味わっていた。これまでにないほど理解の難しい役柄だったと振り返っている戸田は「自分で自分のことが分からない、自分自身にも戸惑っている、知らないうちにそうなっていた、なぜそうなったのか分からない、というのが表現できればいいなと思って、その危うさと曖昧さを大事にしました」と語る。
対して永野も役への理解を深めていくにあたり戸田の存在が不可欠だったそうで「(戸田が)一緒に考えてくださるので心強く、こうだよ!じゃなくて、こういう流れもあるよね、確かにそういう風にも思うよね、と寄り添いながらヒントを一緒に導き出してくれたので、自分自身でもすごく考えながら過ごせませした」と明かす。本作で初共演を果たした2人が互いに支えいながら見せつけた熱演によって、母と娘の想いのすれ違いがより鋭さを増して映しだされ、この食い違いが引き起こす180度逆転する事件の真相とは?
予測不能な展開に引き込まれること間違いなしの本作。母と娘の食い違う証言が示すものとは?真実はぜひ劇場で見届けてほしい。
文/サンクレイオ翼