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批評家が選ぶ、ティム・バートン監督作ランキング!“フレッシュ”なおすすめ10選

コラム

批評家が選ぶ、ティム・バートン監督作ランキング!“フレッシュ”なおすすめ10選

もっとも高い93%フレッシュの評価を獲得したのは、カラー全盛の時代にあえて白黒で勝負した意欲作『エド・ウッド』。1950年代に活動し、“史上最低の映画監督”と呼ばれたエド・ウッドの映画人生を描いた一本だ。

【写真を見る】93%フレッシュを獲得したのは、ジョニー・デップ主演の『エド・ウッド』
【写真を見る】93%フレッシュを獲得したのは、ジョニー・デップ主演の『エド・ウッド』[c]Everett Collection/AFLO

一般的にイメージされるバートン作品の雰囲気とは少々異なる趣を携えたモノクロの画面。それでも“らしさ”は至るところに現れており、なによりもエド・ウッドという異質な映画人をこよなく敬愛するバートンの映画愛がはっきりと見える作品となっている。バートン監督のクリエイションの原点がわかるといっても過言ではない傑作で、劇中でベラ・ルゴシを演じたマーティン・ランドーはその年のアカデミー賞助演男優賞を受賞。同じくメイキャップ賞にも輝いたことも本作の価値を裏付けている。

『エド・ウッド』で主人公のエド・ウッド役を演じたジョニー・デップは、言わずもがなバートン作品には欠かせない存在。高評価リスト内では、初タッグ作品となった『シザーハンズ』の89%フレッシュをはじめ、86%フレッシュの『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』、84%フレッシュの『ティム・バートンのコープスブライド』、83%フレッシュの『チャーリーとチョコレート工場』と計5作品が入る“黄金タッグ”。惜しくもリスト内に入らなかったが、『スリーピー・ホロウ』(99)も必見だ。

キャリア初期の短編アニメをセルフリメイクした『フランケンウィニー』
キャリア初期の短編アニメをセルフリメイクした『フランケンウィニー』[c]Everett Collection/AFLO

また、87%フレッシュの『フランケンウィニー』は1984年に手掛けた短編アニメーションをセルフリメイクした作品。事故で愛犬を亡くした少年が、科学の力を使って愛犬を蘇らせることから始まる騒動を描いたダークファンタジーで、バートン作品のファンならば絶対に押さえておきたい傑作。ちなみにオリジナル版の短編アニメも配信やBlu-rayなどで観ることができるので、あわせてチェックしてみるのも一興。

人気監督としての地位を絶対的なものにした2000年代の作品はもちろんのこと、初長編作品としていまなおカルト的人気を誇る『ピーウィーの大冒険』や、“バートンらしさ”がよくあらわれた『ビートルジュース』、さらには『バットマン リターンズ』(1作目も73%フレッシュの評価を得ている)といった初期作品も満遍なく高評価を獲得。何年経っても揺るがないどころかより研ぎ覚まされていくその個性は、ほかの監督の作品では決して味わえないものだ。


感動的なファンタジー『ビッグ・フィッシュ』
感動的なファンタジー『ビッグ・フィッシュ』[c]Everett Collection/AFLO

75%フレッシュの『ビッグ・フィッシュ』は、そのなかでも少々意外な作品といえよう。ファンタジー作品であり、バートン作品によく見られる個性的なキャラクターは登場しながらも、極めて正攻法で父と子の感動的なドラマを演出する。心打つストーリーや台詞に、ロマンティックなシーン。これはもしかすると、バートン作品のキャリア前半の一つの集大成なのだろう。その次に手掛けた『チャーリーとチョコレート工場』以降の個性の弾けっぷりを観ると、尚更そう思わずにはいられない。

映画での次回作の予定はまだ明らかになっておらず、『ビートルジュース』の続編企画への関与もまだ不透明な状態と報じられている。そんななか、11月23日に配信開始となったのがバートン監督・製作総指揮によるNetflixシリーズ「ウェンズデー」。1990年代前半に人気を博した実写映画版や、近年製作されたアニメ映画版でもおなじみの「アダムス・ファミリー」に登場したウェンズデーを主人公にした作品だ。

商業監督デビューから40年。さらなる進化に期待!
商業監督デビューから40年。さらなる進化に期待![c]Everett Collection/AFLO

見るからにダークな世界観は、まさにバートン監督の作風にぴったり。また、かつての実写映画版でウェンズデー役を演じていたクリスティーナ・リッチが本作にも出演しており、バートン監督とのタッグは『スリーピー・ホロウ』以来。バートン監督ファンにとってはたまらない再タッグが実現した。何度観ても色褪せない個性を携えた過去の傑作と、新境地となるドラマシリーズ「ウェンズデー」で、バートン監督の唯一無二の世界を存分に味わってほしい。

文/久保田 和馬

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