『パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち』から20年…ジャックやウィル、エリザベスを演じた彼らの“いま”を追う!
映画ファンに愛される作品や大ヒット作の出演者たちは、ほかにどんな活躍をしているのか?そんな疑問に答えるこの企画。今回は「金曜ロードショー」での放送も話題を呼んだ『パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち』(03)にフォーカスする。愉快な海賊たちを演じたキャストたちは20年経ったいま、どうなった?
本作は、ディズニーランドの人気アトラクション「カリブの海賊」をモチーフとする大ヒットシリーズの第1作。ジョニー・デップ扮する海賊ジャック・スパロウと、黄金のメダルをめぐる波乱万丈の冒険が描かれる。
物語の舞台は18世紀、カリブ海の港町ポート・ロイヤル。スワン総督の娘であるエリザベスと、幼少期に乗っていた船を海賊船に襲われ、海を漂っていたところを彼女に救われた過去を持つ鍛冶屋のウィル・ターナーは、互いに好意を抱いていた。しかし、エリザベスにジェームズ・ノリントン提督との結婚話が持ち上がり、ノリントンからのプロポーズを受けそうになったまさにその時、身に着けていたコルセットがきつくて意識を失ったエリザベスは海へ転落。たまたま港にいたジャックがすかさず海へと飛び込んで救助するも、悪名高い海賊の彼はノリントンによって捕われの身になってしまう。そしてその夜、海賊船ブラックパール号が港を襲撃し、海賊たちが街へ上陸。船長バルボッサの目的は、かつてエリザベスがウィルを救った際に手にした呪われた金貨だった…。
クセのある演技で独自のキャラクターを作り上げたジョニー・デップ:ジャック・スパロウ役
カリブ海にその名を轟かす海賊船ブラックパール号の元船長であるジャック・スパロウを演じたのはジョニー・デップ。役づくりの際にローリング・ストーンズのキタリストであるキース・リチャーズをモデルにしたことはあまりにも有名だが、この役で第77回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされるなど、その演技力も高く評価されることに。個性派俳優から瞬く間に世界的スターとなった彼は、続いて『チャーリーとチョコレート工場』(05)や『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』(07)といったティム・バートン作品で活躍したほか、「ファンタスティック・ビースト」シリーズに悪役グリンデルバルドとして登場するなど、その人気を不動のものにしていく。
しかし、私生活では『ラム・ダイアリー』(11)で共演したアンバー・ハードと2015年に結婚するが、デップのDV疑惑をめぐり2018年からドロ沼の法廷闘争が勃発したことでキャリアは失速。上記のグリンデルバルド役も降板させられてしまう…。しかし、昨年末の名誉棄損裁判ではハードからの和解でようやく事態は終結。本シリーズのプロデューサーを務めるヒットメーカー、ジェリー・ブラッカイマーは現在、新作への出演についてデップと話し合いを進めているとのことなので、今後の復帰にも大いに期待したい。
一方で、元々ミュージシャンを目指していたというだけあってギターの腕前も相当で、2015年にはアリス・クーパー、ジョー・ペリーと共にハリウッド・ヴァンパイアーズというバンドを結成。2022年には、先日惜しまれながら逝去した世界的なギタリスト、ジェフ・ベックとの共作でアルバム「18」も発表した。前妻ヴァネッサ・パラディとの間に生まれた長女リリー=ローズ・デップも俳優として活躍している。