『聖闘士星矢 The Beginning』を本音レビュー!映画雑誌の編集長らが語る、聖衣やキャラの再現度は?
「漫画とテレビアニメにリスペクトをささげている感が伝わってきた」(西川)
高橋「僕は原作を通っていないので再現度についてはわからなかったですが、『ペガサス幻想』が流れてきたら、やっぱりテンション上がりましたね」
西川「原作を知らないのに、主題歌は知ってるの?」
高橋「カラオケなんかでよく聴きますし、主題歌だけは知っているという20代も多いんじゃないでしょうか」
西川「知っているところがあってよかったよ(笑)。僕がまず語りたいのはカシオス。原作ではそんなに出番の多くないキャラクターだけど、映画ではメインヴィランとして登場するというアレンジはおもしろかった。ただ、原作ファンとして欲を言えば、星矢と戦って耳を切られてほしかったな」
佐藤「もう35年も前なのに、細かいところまでよく覚えてるね(笑)。僕は『こんなだったな』と答え合わせするような感じで納得したり。星矢とマリンの関係とかも『そうそう!』と思いだしました。銅像が浮いているみたいな、修行場所の世界観は原作にあったんだっけ。見たことのある絵面なんだよね」
高橋「僕もすごく気になっていました!」
西川「あれはテレビアニメのオープニングへのオマージュだと思います」
佐藤「あー、そうだ!リスペクトしてるんだね」
西川「『聖闘士星矢』の設定自体はファンタジーではあるけれど、あくまで現実世界を舞台に強い人たちが戦うという話です。その点で、漫画とテレビアニメにリスペクトをささげている感は伝わってきたように思います」
「白黒でも聖衣がゴールドに見えるくらい、車田正美先生の絵はクオリティが高い」(佐藤)
高橋「オープニングのナレーションに固有名詞がたくさん出てきましたが、知っているとより深く楽しめるのでしょうか?」
西川「原作を知らずに観る人に教えるとすれば、人のなかに秘められているすごいパワーが小宇宙。小宇宙のパワーを最大限に発揮するには聖衣が必要だけど、選ばれた人しか身につけられない。この2点を押さえておくだけでより楽しめると思いますね」
佐藤「やっぱり原作を知っているか知らないかで観るポイントは変わってくるよね。僕がなによりも注目していたのは、聖衣の再現度だし」
西川「ですよね。フェニックスの聖衣の再現度は特に高いと思いました。ペガサスの聖衣は原作からアレンジされていましたが、細部の作り込みに目が行きました」
佐藤「漫画だとスクリーントーンがガッツリ貼ってあって。でもなぜか白黒でも黄金聖衣(ゴールドクロス)が本当にゴールドに見えるくらい、車田正美先生の絵はクオリティが高いんだよね。だからこそやっぱり続編で12人が揃うところは絶対観たい!『十二宮編』とか想像するだけでいいよね」
西川「今回出ていないキャラクターも含め、12人が揃うところは確かに観たいですね。キャラクターに関しては尺も考えたうえで、うまいアレンジをしている印象を受けました」