『聖闘士星矢 The Beginning』を本音レビュー!映画雑誌の編集長らが語る、聖衣やキャラの再現度は?
「漫画原作の世界に説得力を持たせられる真剣佑さんは、本当にうまい役者」(西川)
佐藤「アクション映画好きの高橋くんが、映画的に惹かれたポイントはどんなところ?」
高橋「やはり、サニー千葉(千葉真一)の息子がハリウッド映画でアクションをする!というだけで、アクション映画としての注目度は抜群ですよね」
西川「『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』で虹村億泰役を演じた真剣佑さんを見て、喋り方が千葉(真一)さんにそっくりだった。あの時も『こんな役もできるんだ』って思ったけれど、今回はまた違う方向で発見がありました。漫画原作の完全フィクションの世界にしっかりアダプテーションして説得力を持たせられる役者って、本当にうまいんだと思います」
佐藤「もう、佇まいがいいよね。すごく色気を感じました」
西川「ボソッとこぼす、捨て台詞もすごく愛嬌があって僕は好きでした。特訓の時にせっかく登った崖を降りるよう言われたあとのつぶやきは、ぜひ注目してほしいです」
佐藤「言い方がすごくうまいよね。このキャラだったらこう言いそうっていうのがピタッとハマる。もちろん英語もネイティブだからすごく自然だし。原作だと星矢は13歳だけど、今回は青年という設定。だけど、青年の星矢ならそう言いそうって説得力があるから『原作より年上じゃん』とは思わなかった。本作での真剣佑さんの貢献度はかなりものかと」
「『聖闘士星矢』は、男女問わないファン層を生みだした先駆けの作品」(佐藤)
西川「佐藤さんが続編に期待する描写ってどんなところでしょう?」
佐藤「原作だと大抵必殺技を喰らったあとに空を飛ぶんだよね。次のコマ割りで地面に顔から落ちてくる。ああいうのも実写で観たい!」
西川「わかります!だからやっぱり紫龍とか氷河が出てくるあたりは実写化してほしいですね」
佐藤「僕はもう配役まで考えてる(笑)。紫龍はディーン・フジオカさんで、山下智久さんにも参加していただいて、アクションができるイケメンをこれでもか!ってくらいに揃えて『日本の役者もすごいんだぞ』っていうところを世界に見てほしいですね」
西川「テレビアニメ『聖闘士星矢』のキャラクターデザインは『ベルサイユのばら』の荒木伸吾さんと姫野美智さんでしたね。美しいキャストを揃えるのは、女性ファンも多かったリアルタイム勢も納得すると思います」
佐藤「そうそう。当時男子には、『キン肉マン』『北斗の拳』『ハイスクール!奇面組』とかが人気で。『聖闘士星矢』が出てきたころから、女子たちもジャンプ漫画を知ってるぞみたいな傾向が出てきて、『るろうに剣心』や『テニスの王子様』に女性ファンがつくという流れに入っていった感じ。男女問わないファン層を生みだした先駆けの作品だね。瞬とかあまりにも綺麗だったから、少年ながらに戸惑った記憶が蘇ってきた(笑)」
高橋「僕はとにかく星矢のアクションやデザインがカッコよかったので、先ほど出たような1980年代のジャンプヒーローが集まって、星矢が彼らと戦ったら、すごくおもしろそうだなと思いました。ジャンプ版マーベル・シネマティック・ユニバース的な感じでしょうか?」
西川「実写版『ファミコンジャンプ』だね!」
佐藤「すごく観たいな、それ(笑)」
構成・文/タナカシノブ