親の顔より見たモアイ？「EMOTION」40周年の歴史を、代表作や隠れた名作から振り返る

「ガンダム」や「マクロス」など王道の人気シリーズのOVAもいっぱい！

ここからは「EMOTION」レーベルから発売された珠玉の作品たちを、OVA作品を中心に一気に紹介していこう。まずは日本のロボットアニメの金字塔ガンダムシリーズ。シリーズ初のオリジナル劇場版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(88)を始め、ガンダムシリーズは「EMOTION」レーベルからビデオ・LD・DVD・Blu-ray・UHDBDなどのパッケージ商品が発売されている。

そして1989年3月に、シリーズ初のOVA作品「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」が発売。ガンダムのOVA作品の特徴は、テレビ作品とは異なる視点で描かれていること。「ポケットの中の戦争」では民間人の子どもを主人公に描き、「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」では「機動戦士ガンダム」最終話後の世界をリアルに描写。そのほか、「新機動戦記ガンダムW Endless Waltz」のようにテレビシリーズの続編となる作品も登場している。

近年では「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」や「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」のように、劇場上映時にBlu-rayを同時発売、同時配信する新たな試みも行うなど、時代の変化にも柔軟に対応。さらに「機動戦士ガンダム サンダーボルト」は、ネット配信を先行して行った後、ディレクターズ・カット版が劇場公開された。

もうひとつ「EMOTION」を語る上で欠かせない人気作といえば、やはり「マクロス」シリーズだ。レーベルスタートの1983年に「超時空要塞マクロス」(1982年テレビ放送)の話数セレクションビデオを発売している。そして、シリーズ10周年には「超時空要塞マクロスII LOVERS,AGAIN-」、15周年には「マクロス ダイナマイト7」、20周年には「マクロスゼロ」と、シリーズの節目ごとにOVAが制作され話題を集めてきた。また、1994年の「マクロスプラス」では、英語吹替版のインターナショナルバージョンも制作・発売されている。

YouTube「EMOTION Label Channel」で配信されている40周年特別番組の第2回では、「マクロス」シリーズを手掛けてきたビジョンクリエイターの河森正治が特集されている。河森本人をゲストに迎え、クリエイターとしての歴史や2001年に河森が手掛けた「地球少女アルジュナ」と「地球防衛家族」に触れながら、河森作品の魅力を深掘り。第2回のパート1では、河森の歴史を振り返ると共に、「超時空要塞マクロス」に登場する可変戦闘機バルキリーの誕生秘話も語られているので必見だ。

上記の2シリーズのように、テレビシリーズの続編や外伝作品となるOVAは、レーベル発足当初から数多く発売されてきた。近年では、2012年にテレビアニメが放送され、劇場版が興収25億円を超える大ヒットを記録した「ガールズ＆パンツァー」。「最終章」も全6話で構成され、パッケージリリースに先駆けて劇場上映。第3話から約2年半ぶりとなる第4話が、10月6日(金)より劇場公開されることも決まっている。

ほかにも、美少女キャラクターたちが地球に落ちてくる彗星を迎撃する内容で話題を集めた「ストラトス・フォー」や、金田一蓮十郎の同名ギャグコミックを水島努監督と横手美智子のシリーズ構成でアニメ化した「ジャングルはいつもハレのちグゥ」、「舞-HiME」からアニメや漫画、ゲームなどメディアミックス展開した「舞-乙HiME」なども、テレビシリーズの続きが描かれたOVAが発売。「装甲騎兵ボトムズ」シリーズはOVAだけで複数本制作、「スクライド」や「ゼーガペイン」はテレビ放送から10周年という長いスパンを経て新作OVAが制作されるなど、その展開方法は多種多様だ。