「LOTR」「GOT」から『聖闘士星矢』へ…ショーン・ビーンが振り返る、自身のキャリア
全世界累計発行部数が5000万部を突破した車田正美による人気コミック「聖闘士星矢」。テレビアニメシリーズも大ヒットするなど、1985年の連載開始から35年以上にわたって愛されてきたこの名作が、『聖闘士星矢 The Beginning』(公開中)としてハリウッドで実写映画化された。主人公で女神アテナの生まれ変わりとされる女性を守る聖闘士(セイント)の青年、星矢を演じるのは本作がハリウッド初主演作となる新田真剣佑。さらに、「ロード・オブ・ザ・リング」三部作、「ゲーム・オブ・スローンズ」のショーン・ビーン、「X‐MEN」シリーズのファムケ・ヤンセン、「ジュマンジ」シリーズのマディソン・アイズマン、『ジョン・ウィック:パラベラム』(19)のマーク・ダカスコスといった豪華なキャストが名を連ねている。
MOVIE WALKER PRESSでは、『ロード・オブ・ザ・リング』(01)以来、実に21年ぶりの来日を果たしたビーンに単独インタビューを敢行!物語のキーマンで星矢を見いだすアルマン・キド役をオファーされた心境や、共演の新田への印象、これまでに築いてきた自身のキャリアに対する見解を語ってくれた。
「日本のコンテンツには、すばらしいものが多いと感じていました」
ビーン演じるアルマンは、地下格闘技で生計を立てていた星矢の前に現れる謎の男。アテナの生まれ変わりであるシエナ(アイズマン)を実の娘同然に育ててきた彼は、信頼できる執事のマイロック(ダカスコス)らと共に彼女を秘密裏に保護してきた。そんな時、試合中に人の体内に秘められた力、小宇宙(コスモ)の片鱗を見せた星矢の存在を知り、アテナのために戦う聖闘士として彼をリクルートする。しかしそこへ、アルマンの元妻であり、強大な神のパワーを危険視してシエナの命をねらうヴァンダー・グラード(ヤンセン)が放った刺客が星矢たちを襲う。かくして星矢は、人類存亡を懸けた壮大な戦いにその身を投じ、自身の運命とも向き合うことになっていく。
スター俳優がクレジットされているものの出演シーンはわずか…。そんな作品も珍しくはないが、本作におけるビーンやヤンセンはたっぷりと活躍し、その確かな存在感で物語に重厚感をもたらしている。特にアルマンというキャラクターは、まだ何者でもなかった星矢を神々の戦いに引き入れる重要な役どころ。企画当初からアルマン役にはビーンが想定されていたそうで、オファーを受けた時の心境を以下のように振り返る。
「ファーストチョイスと聞いてすごくうれしかったことを覚えています。日本の漫画やアニメが原作の作品に出演するのは初めてだったのですが、とても大きな役をいただきました。以前から日本のコンテンツにはすばらしいものが多いと感じていましたが、この作品はギリシャ神話がベースにあるということで、私自身もとても楽しみました」。
ビシッとしたスーツに身を包み、他人を寄せ付けない雰囲気を漂わせるアルマン。そのバックグラウンドは明らかにされないが、人里離れた場所にハイテク機器を備えた広大な屋敷を構え、移動手段には航空機を使用している。一方で、屋敷内は古代の彫刻や調度品で飾られており、神話や歴史に対する深い見識も感じさせる。
「アルマンは非常に知的でビジネスマンとしても優秀です。ハイテクの分野で富を築いた人物なのですが、神話や伝説といったものに強い情熱を持っています。ビジネスマンでありながら、ファンタジーなものに興味を持っているところがおもしろいですよね。そして、シエナを守るためにはどんな犠牲も厭わないと考えている。現実味があって多面的な、よく作り込まれたキャラクターです」。