マイケル・キートンも伝説のバットモービルも『ザ・フラッシュ』でカムバック!歴代バットマンを総ざらい
スーパーマン誕生秘話を描いた『マン・オブ・スティール』(13)に始まるDCユニバースの作品群では、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(16)の監視カメラ映像内や、『スーサイド・スクワッド』(16)における機密ファイル内の記述や写真などで、地上最速のヒーロー、フラッシュの存在がほのめかされていた。そして、DCコミックスのスーパーヒーローが総出演した『ジャスティス・リーグ』(17)で、エズラ・ミラー演じるフラッシュが満を持して登場することになる。このような経緯の末、DCユニバースの単独作品としてフラッシュを主役にした『ザ・フラッシュ』(23)が6月16日(金)から世界同時公開される。
『ザ・フラッシュ』は、DCユニバースで描かれてきた設定を踏襲させながら、フラッシュことバリー・アレンが幼いころに亡くした母と冤罪で刑に服している父を救うため、タイムループによって過去へ戻る物語となっていることが、事前にアナウンスされていた。そして、『ブラックアダム』(22)にヘンリー・カヴィル演じるスーパーマンが、『シャザム!~神々の怒り~』(23)にはガル・ガドット演じるワンダーウーマンが登場するといったように、おのおの独立した物語として始まったDCのヒーロー同士がクロスオーバー。今後の展開にファンからも期待が寄せられていた。
そんな渦中に発表された『ザ・フラッシュ』の予告編に、ファンは度肝を抜かれるのは、バットマンの登場!しかも『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』や『ジャスティス・リーグ』でバットマン/ブルース・ウェイン役を演じたベン・アフレックだけではなく、そこにはマイケル・キートンの姿が映しだされていたからだ。
批判を乗り越えてバットマンを成功させたマイケル・キートン
1989年にティム・バートン監督の手によって映画化され、ジャック・ニコルソンがジョーカー役を怪演、プリンスが提供した楽曲「バットダンス」などが話題となった『バットマン』(89)で、バットマン役を演じた“あの”マイケル・キートンなのである。ティム・バートン監督作『ビートルジュース』(88)に出演していた縁によって、バットマン役に抜擢されたキートンは、イメージの乖離からファンの批判にさらされたという経緯があった。それは、『ミスター・マム』(83)や『ドリーム・チーム』(89)など、当時の彼には“コメディ俳優”というイメージがあったからだ。
その時代のバットマンといえば、アダム・ウェストがバットマン役を演じた実写テレビシリーズのコミカルなイメージが強く、ティム・バートン監督作『バットマン』によって構築されたダークなイメージとは無縁だった。大富豪であるブルース・ウェインとダークヒーローであるバットマン。その二面性を表現したキートンの演技アプローチは、当初は批判的だった「バットマン」ファンからも歓迎されるようになっていく。バートン監督は、キートンがバットマン役を演じることに対して「彼がヒーロー的なタイプの俳優ではないからこそ、コウモリのコスチュームをまとうことが必要」と述懐している。